【2024年】男性歯科衛生士のなり方を徹底解説!

男性の歯科衛生士、実は意外とオイシイ職業だってご存じですか?

はじめまして、当ブログ管理人の「とうま」です。

私は2003年に当時全国で7人しかいないと言われていた「男性歯科衛生士」になりました。

皆さん歯科衛生士は「女性の職業である」というイメージを強く持たれていることと思われます。しかし、実際は男性でも問題なくできる職業です

それどころか「男性にとってメリットの多い、素敵な職業」であるということは、まだあまり知られていません。

そのメリットとは、例えばこのようなものがあります。

  • 正社員の年収は平均364万円、医療法人の主任クラスなら800万円超も視野
  • 歯科医院は、全国に6万件以上あるので、就職や職場探しに困らない
  • 男性の数が少なく目立つので、チーフや主任的な立場になりやすい
  • 同じ理由で、歯科医師から何かと頼りにされる
  • 女性が多い職場なので、出会いのチャンスは非常に多い

このページでは、この道20年の私が男性歯科衛生士になるための方法や、仕事内容や待遇、職場の実情、裏話など職業の全てを徹底解説いたします。

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歯科衛生士の概要をざっくりまとめ

歯科衛生士の平均年収平均364万円
歯科衛生士になる為に必要な資格歯科衛生士国家資格
歯科衛生士になるための費用学費として100万円~550万円程
歯科衛生士になるために必要な年数3~4年

歯科衛生士になり、就職するまでの3ステップ

ステップ1、高等学校卒業後、歯科衛生士学校に入学

ステップ2、歯科に関する知識や技術を身につけ、国家試験に合格

ステップ3、就職先は、歯科に関する仕事に従事し、歯科医院・病院・施設・企業などに勤務

後半に「現役、男性歯科衛生士の現状」も解説しております。

それでは、順に解説していきます。

ステップ1、歯科衛生士学校選び編

歯科衛生士を目指すなら、まずは学校選びが重要です。
大学か?専門学校か?
3年制か?4年制か?
昼間部か?夜間部か?
それぞれ、利点欠点がありますので、見ていきましょう。

学校の種類・必要年数は?

2021年時点での全国の歯科衛生士学校は、以下の通りです。
歯科衛生士の学校選び、詳しくはこちらから【2023年】男性歯科衛生士おすすめ、夜間部のある歯科衛生士専門学校全国15校と入試案内を紹介

  • 大学は、12校
  • 短期大学は、16校
  • 専門学校は、142校

4年制大学と3年制の学校との違いは?

4年制の大学では、心理学、外国語、経済学などの教養科目も学びます。また、大学によっては歯科衛生士資格の他に、社会福祉士や医療事務、教員免許の取得も可能です。そして、大学院に進み学士を取得することも可能です。

歯科分野だけでなく一般教養の授業もあり、歯科の知識以外にも幅広く色々な知識を身につけ、学びたい方にはおすすめです。

そして就職時の幅が広がります。歯科医院や病院だけでなく大学卒業以上限定の求人や歯科関連企業、行政などの就職も視野に入りますので、在学中に自分が活躍したい就職先を幅広く検討することができます。

3年制の学校は、歯科衛生士になる為の専門分野を集中的に学びます。歯科衛生士になる為に必要なカリキュラムとなっております。4年制大学と比べ一般教養を学ぶ機会があまりありません。

費用を抑えるなら、公立または夜間の私立を目指そう!

学費は、国公立か私立か、3年制か4年制か、昼間か夜間かで大きく異なります。

もし費用を安く抑えたい場合は、まずは公立を目指しましょう。それが難しい場合は、私立で夜間部のある専門学校(全国15校)を目指しましょう!3年制の公立は100~150万円ですが、私立でも3年間で250万円程度で卒業することが可能です。

公立私立
4年制大学250万円550万円
3年制短大150万円300~400万円
3年制専門学校100~150万円250~350万円

お得な制度を活用!奨学金・学生ローン・社会人ならではのサポートは?

学費をサポートする制度もあります。

  • 奨学金、学費を無金利~上限3%(2021年11月0.004~0.468%)で貸与
  • 国の教育ローン、金利年1.65(2021年1月)で貸与
  • 専門実践教育訓練給付金(社会人)、最大168万円給付
  • 勤務先の歯科医院の補助、医院によっては100~150万円貸与

上記を活用し、学費をサポートしてもらいましょう。

専門実践教育訓練給付金(社会人)、最大168万円給付

ちなみに2年以上雇用保険の被保険者期間を有している社会人なら、専門実践教育訓練給付金の制度が断然お得となります。ハローワークから最大168万円の給付が受けられます。

勤務先の歯科医院の補助、医院によっては100~150万円貸与

すでに歯科助手として働いている場合、歯科衛生士になるために学費の一部を補助してくれる歯科医院もあります。ただし、歯科衛生士になってから補助してくれた歯科医院で何年間は勤務する事を約束するケースがほとんどです。事前に確認しておきましょう。

歯科衛生士学校おすすめ3つのパターン

A.高校卒業後の現役の方におすすめ
  • 昼間部の歯科衛生士学校(三年制)に入学
  • 休みの日や学校終わりに歯科医院または、他業種でバイト(おすすめは歯科医院)
  • 奨学金や学生ローンを活用(必要な方のみ)

高校の延長線で、生活スタイルがあまり変わらない、昼間コースがおすすめです。また夜間コースに比べ、現役世代が多いのも特徴です。じっくり学び、着実に歯科衛生士に必要なスキルを磨けます。

B.社会人や現役以外の方におすすめ
  • 夜間部の歯科衛生士学校(三年制)に入学
  • 日中は歯科医院または、他業種で働く(おすすめは歯科医院)
  • 専門実践教教育訓練給付金(社会人)や勤務先の歯科医院の補助を積極的に活用

日中は働きながら、費用の安い夜間コースを選択し、給付金や医院補助を積極的に活用します。夜間部は年齢層が幅広いため、年齢を気にすることなく学校生活を送れます。そして最短で歯科衛生士免許を取得し、就職する流れがおすすめです。

C.勤務先は公務員や大学病院、歯科関連企業に就職希望の方におすすめ
  • 現役
  • 四年制の大学や付属の短大に入学
  • 歯科衛生士免許取得後、大学院に進むことも可能
  • 奨学金や学生ローンを活用(必要な方のみ)

歯科医院だけではなく、公務員や大学病院、企業への就職先を考えている場合は、四年制の大学や大学付属の短大に入学することをおすすめします。

自分が気になる学校のホームページを確認し、資料請求だけでなく、オープンキャンパスに行ってみることをおすすめします。そこで学校の雰囲気や学校説明を聞き、自分が納得した学校を選ぶと良いでしょう。

出来れば2,3校、見学やオープンキャンパスに行くと自分に合った学校が、見つかります。

学校入学試験

入学試験は、学校によって異なります。

国公立の大学では、センター試験をおこない、多科目の試験が必要です。私立の大学や短大の多くは、2科目程度です。専門学校では、学科試験がなく、小論文や面接になります。

2020年度の志願者倍率
  • 大学:2.4倍
  • 短大:1.3倍
  • 専門学校:1.0倍

歯科医院で勤務したい場合は、専門学校がおすすめです。

ステップ2、入学から卒業編

授業時間

一般的には、夜間部は昼間部に比べ授業時間が短く、歯科衛生士に必要なカリキュラムのみを集中的におこないます。

  • 中間部:9:00~17:00
  • 夜間部:17:00~21:00

授業内容

歯科衛生士の教育は、基礎分野と専門分野があり、どの学校でも共通です。それ以外は学校により、選択必修分野を設け独自のカリキュラムや時間割となっております。

例えば、接遇マナーや、医療面接、介護教育、華道、茶道などがあります。

1学年は基礎科目が中心ですが、学年が進むにつれ、専門的な授業のほかに、学校外での臨床実習(歯科医院や大学病院)や高齢者施設・障がい者施設・保健機関等での実習をおこないます。

学校卒業

歯科衛生士の資格を取得するために必要なカリキュラムは、基礎分野、専門基礎分野、専門分野があり、全93単位受講します。それぞれの分野で試験をおこない単位を取得し、卒業試験に合格すると、国家資格の受験へと進んでいきます。

国家資格受験・合格率

歯科衛生士国家試験は年に1回3月上旬におこなわれ、合格発表は3月下旬です。国家試験に合格し、晴れて歯科衛生士になることができます。

今年度の試験日は令和5年3月5日(日曜日)におこなわれます。試験の合格者は、令和5年3月24日(金曜日)午後2時に、一般財団法人歯科医療振興財団ホームページ及び厚生労働省ホームページの資格・試験情報のページに、その受験地及び受験番号を掲載して発表されます。

ちなみに過去の合格率は、95%前後となっています。

  • 2017年:93.3%
  • 2018年:96.1%
  • 2019年:96.2%
  • 2020年:94.3%
  • 2021年:93.3%

歯科衛生士の国家試験に合格したら、一般財団法人歯科医療振興財団に申請をおこないます。その後、歯科衛生士免許が交付されます。

ステップ3、就職編

歯科衛生士ってどんな仕事?

就職先により、仕事の内容は様々ですが、歯科衛生士の91%が勤務している歯科医院にフォーカスし説明いたします。歯科医院では、患者に直接かかわる仕事から消毒・滅菌業務まで幅広くおこないます。主な仕事内容は、以下の通りです。

  • 患者担当業務・・・むし歯予防や歯周病の処置・管理
  • 診療補助・・・歯科医師の診療をサポート
  • 滅菌・消毒・・・使用した器具や器材を清潔に保つ
  • 受付・・・会計や電話対応
  • デンタルカウンセラー・・・歯科診療に関する相談や説明
  • 訪問歯科・・・病院や施設、患者宅での歯科診療
  • チーフ・・・歯科医師とスタッフの橋渡し役や、スタッフのまとめ役
  • 経営陣・・・歯科医院経営に携わる

歯科医院によって多少異なる部分はありますが、患者さんの口腔の健康改善をサポートすることが歯科衛生士の役目です。

就職活動

歯科衛生士の就職先は、以下の通りです。

  • 歯科医院・・・90.9%
  • 病院・・・4.9%
  • 都道府県、市区町村・・・1.4%
  • 介護保険施設等・・・0.9%
  • 歯科衛生士学校等・・・0.7%
  • 保健所・・・0.5%
  • 企業・メーカー・・・0.2%
  • その他・・・0.4%

歯科医院の見学は夏休み中に行く学生さんもおりますが、本格的な就職活動は、最終学年の夏休み明け9月から始まります。その理由は、9月、10月頃になると新卒採用の求人増え、求人募集している歯科医院などを学校で閲覧出来るようになります。

働きやすさ

歯科医院では、院長やスタッフとの関係性が働きやすさに大きく影響します。働きやすい職場環境は、自らの行動で変わることもありますが、歯科医院によっての規則があります。例えば、

  • 年間休日の日数
  • 公休・有給休暇の取りやすさ
  • 残業時間の有無
  • 休日出勤の有無
  • 育児・介護休暇の取得状況
  • 住宅・通勤手当(各種手当)の有無

見学や面接時に勇気を出して確認することをおすすめします。

出世

出世は、その歯科医院によって異なりますが、一般的には、経営者や院長の力になることが絶対条件です。例えば、以下の要素が考えられます。

  • スタッフをまとめ院長をサポート
  • 認定資格や高い技術・知識がある
  • 新人育成が上手い
  • 医院の方向性に合った新しいことに挑戦する
  • 経営を意識した行動をとる(売上、患者リピート率アップ、節約など)

院長が抱えている仕事を担い、院長からもスタッフからも頼れる存在になることが大切です。

給与

歯科衛生士の平均年収は356万円程です。新卒の初任給は、24万7,419円で、一般大卒に比べて高い傾向にあります。出世すれば、さらに高い給与を得られる可能性があります。

アルバイトやパートの時給も1,500円から2,000円が相場で、一般的な職業のパートより高い傾向にあります。また、景気の影響を受けにくく安定した給与水準となっております。

福利厚生

福利厚生は、社会保険が完備されている医院をおすすめします。しかし、保障より手取りを多くもらいたい場合や専門のスキルを身に着けたい場合などは、必ずしも社会保険が完備されている歯科医院を優先する必要はありません。

社会保険には以下の4つがあります。

  1. 健康保険
  2. 厚生年金
  3. 雇用保険
  4. 労災保険

社会保険完備の歯科医院は、病気やケガなどで一時的に働けなくなったとしても、傷病手当金が出るなど、もしもの時に備え手厚い保障が受けられます。そのため手取りが多少、減りますが毎日安心して働くことができます。

歯科衛生士に向いている人・向いていない人

歯科衛生士に向いている人は、

  • 挨拶や、報告・連絡・相談ができる人
  • 自分の事だけでなく、周りの事も考え行動できる人
  • 人とのコミュニケーションが取れる人
  • 成長を楽しめる人
  • 自分の非を認めることができる人

歯科衛生士に向いてない人は、

  • 悲観的な人
  • 問題を人のせいにする人
  • 約束が守れない人

などが挙げられますが、その歯科医院との相性もありますので、何より真剣に取り組む姿勢が大切です。

現役、男性歯科衛生士の現状を解説!

なぜ歯科衛生士になったのか?

幼い頃から検診で歯科医院によく通っていました。その時に、歯並びがキレイだと褒められたことがあり、それが嬉しくて歯を守る仕事に興味を持ちました。そして、歯科衛生士という職業を知りその道に進みました。

実は、こんなにも男性が少ないということは、入学してから初めて知りました。男性が少ないことで、はじめは気まずさなど多少はありました。しかし、環境にもすぐに慣れ、学校や職場にも恵まれ現在、幸いにも充実した歯科衛生士ライフを送っております。

裏話

学校生活から、歯科医院で働いている時のここだけの話をまとめました。
いいこともあれば、そうでなこともありました。

  • 学生時代、男性更衣室がなかったので、教員の更衣室を使っていた
  • 教室に入ると、女性の着替え途中に入ってしまい、気まずいことが何度かあった
  • 学生時代の女友達とは、今でも仲がいい
  • 新卒時、就活の際に男性の歯科衛生士は雇用したことがない、更衣室がないなどの理由で面接を断られたことがあった
  • 職場の女性スタッフとは、友達感覚でよく遊んでいた
  • 合コンしやすい環境です
  • 歯科医師の先生に、よく飲みに連れて行ってもらった

学生の頃から現在までいつも、女性が近くにいる生活なので個人的には、うれしい環境です。

僕の今の仕事内容は?

現在、歯科医院で働き、20年目になりました。総括主任として正社員で勤務しております。資格は、歯科衛生士のほか、日本歯周病学会認定歯科衛生士、臨床歯科麻酔認定歯科衛生士、ホワイトニングコーディネーター、犬の歯磨きマイスターなどの資格を取得。主な仕事内容は、

  • スタッフ指導(チーフや新人の育成や助言)
  • 患者担当(むし歯予防、歯周病の治療・管理、ホワイトニング等)
  • 診療補助(歯科医師のアシスト)
  • 訪問歯科診療(不定期)
  • 医院経営サポート(自由診療新メニューの導入、歯科衛生士の売上集計、業務改善など)

取材されるの?

男性歯科衛生士は、歯科業界では珍しいこともあり稀に取材を受けることがあります。

  • 歯科衛生士会(学会誌)
  • オーラケア(タフトクラブ)
  • 医歯薬出版(デンタルハイジーン)など

男性歯科衛生士になった理由や、仕事内容、患者さんとのかかわり方などについての取材を受けました。

患者に対しての失敗から学んだことは?

長年、歯科衛生士を経験していると注意されたり、叱られることもあります。その教訓を生かし、現在でも心掛けている事を紹介します。例えば、

  • 間違ったり、迷惑をかけた場合は、素直に相手に伝わるように謝る
  • 相槌は、「うん」ではなく「はい」
  • 患者の考えや気持ちを確認してから、処置をおこなう
  • 予約時間は、始まりだけでなく終わりの時間も守る

これらは、私が今まで患者さんとの対応で迷惑を掛けてしまった内容の一部です。ここ最近は、これらの教訓を生かしトラブルも減りました。失敗から学ぶことは多くありますので、謝罪や反省して落ち込みますが、今は失敗も前向きに捉えられるようになりました。

男性歯科衛生士あるある

男性歯科衛生士あるあるについて、いくつかまとめました。

  • どうして歯科衛生士になったのかをよく聞かれる
  • 診療室に虫が出ると、だいたい討伐依頼がかかる
  • 患者さんに先生と呼ばれ、自分の事を歯科医師と勘違いしているのではないか思う
  • 診察してもいないのに「男の歯科衛生士以外で」と言われる(歯科医師は男性なのに。。。)
  • セクハラチックな、おじさん患者の担当になる
  • 重い物や大きい荷物運びは、お願いされる
  • 同性の先生と話すほうが、気が楽
  • 歯科医師の先生と仲良くなりやすい
  • セクハラにならないように気を遣う

男性歯科衛生士ならではの、あるあるはありますが、幸い仕事には全く支障はありません。ほかのスタッフが出来ないことをお願いされているので、貴重でありがたい存在ということだと勝手に解釈しています。

まとめ

今回は、男性歯科衛生士これから目指す男性に向けて徹底解説しました。
①歯科衛生士学校に入学
②歯科に関する知識や技術を身につけ、国家試験を受験し合格
③就職先は、歯科に関する仕事に従事
そして「現役、男性歯科衛生士、僕の現状」について解説しました。

2022年度の歯科衛生士学校には、過去最多となる58人の男性が入学しております。
今後益々、多くの男性歯科衛生士が誕生していくことになるでしょう。
この記事をきっかけに、歯科衛生士を目指す男性が増えてくれると嬉しいです。

これからも、男性歯科衛生士として様々な記事を書きますので参考にしていただけると幸いです。
そして、一緒に充実した歯ッピーな歯科衛生士ライフを満喫しましょう!

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