歯科医院で必ずと言っていいほど見かける「コンクール」シリーズ。
中でも、見た目がそっくりな**「ジェルコートF」と「マウスジェル」**。
「どっちもジェルだし、同じようなものでしょ?」
「とりあえず有名な方を買っておけば安心?」
…ちょっと待ってください!実はこの2つ、役割が180度違います。
歯科衛生士の現場でも、患者さんが間違えて使っているのをよくお見かけする「勘違いされやすいコンビ」なんです。
今回は、プロの視点からこの2つの決定的な違いと、
あなたにぴったりの選び方を徹底解説します。
1. ひと目でわかる!比較表
まずは、この2つの役割を整理しましょう。
| 項目 | ジェルコートF(緑のボトル) | マウスジェル(白いチューブ) |
| 主な目的 | 「攻め」の予防(殺菌・強化) | 「守り」のケア(保湿・潤い) |
| 得意なこと | むし歯・歯周病を防ぐ | お口の乾燥・ネバつきを防ぐ |
| メイン成分 | フッ化物1450ppm、塩酸クロルヘキシジン | ホエイタンパク、ラクトフェリン |
| テクスチャー | サラッとした水溶性ジェル | ぽってりした濃厚保湿ジェル |
| 研磨剤・発泡剤 | なし(歯に優しい) | なし(粘膜に優しい) |
2. 【ジェルコートF】は「細菌と戦う」ための武器


緑のボトルのジェルコートFは、一言で言うと**「高機能な歯磨きジェル」**です。
歯科衛生士が推すポイント:
- 高い殺菌力: 「塩酸クロルヘキシジン」が、
むし歯菌や歯周病菌を徹底的にやっつけます。 - 歯を強くする: フッ化物が1450ppm配合されており、再石灰化を助けます。
- 研磨剤なしの安心感: 歯を削る心配がないので、
電動歯ブラシ派の人や、知覚過敏がある人にも最適です。
こんな人にオススメ!
- とにかく「むし歯」をこれ以上作りたくない
- 歯ぐきの腫れや出血(歯肉炎)が気になる
- インプラントを長持ちさせたい
▶ 歯周病予防に効果的なマウスウォッシュ5選|成分まで徹底比較
3. 【マウスジェル】は「砂漠化したお口」の救世主


こちらのマウスジェルは、歯を磨くためではなく**「お口の中を潤す」**ための保湿液です。
歯科衛生士が推すポイント:
- 唾液の代わりになる: 加齢、お薬の副作用、
ストレスなどで唾液が減ったお口を優しく保護します。 - 長時間潤いが続く: 水ですすぐのと違い、
ジェルが粘膜にピタッと密着して乾燥から守ります。 - お口の自浄作用をサポート: 唾液に含まれる天然の抗菌成分(ラクトフェリンなど)を配合。
乾燥による「嫌なニオイ」も抑えてくれます。
こんな人にオススメ!
- 朝起きると口がカラカラで話しにくい
- 口の中が乾燥して、食べ物が飲み込みにくい
- 介護が必要な方の口腔ケア(お口が開きにくい時など)
▶ 口腔保湿ジェルおすすめ5選|ドライマウス対策に本当に使えるジェルはこれ
4. どっちを使えばいい?プロの診断チャート
迷ったら、あなたの「一番の悩み」を基準に選んでみてください。
- 「歯のトラブル(むし歯・歯周病)」を防ぎたい→ ジェルコートF を選びましょう。
- 「口の渇き・喋りにくさ」を解消したい→ マウスジェル を選びましょう。
★プロの裏技:セット使いが最強!


実は、この2つは併用するとさらに効果的です。
- ジェルコートFで歯を磨き、細菌をしっかり殺菌。
- 少量の水ですすいだ後、マウスジェルを清潔な指やスポンジブラシで粘膜に薄く塗る。
これで、「殺菌」と「保湿」のダブルガードが完成します。
特に、お口が乾きやすい就寝前に行うのが一番のオススメです!
※義歯使用者は、装着前に保湿すると快適です。
5. 自分の「お口の状態」に合わせて選ぼう
「名前が似ているから」と適当に選んでしまうと、
せっかくのケアがもったいないことになってしまいます。
- 細菌対策なら「ジェルコートF」
- 乾燥対策なら「マウスジェル」
自分の今のお悩みに合わせて、正しい1本を手に取ってみてくださいね。
もし「自分にはどっちが必要かわからない」という時は、
定期健診の際に私たち歯科衛生士にぜひ相談してください!
6. 使用前に知っておきたい注意事項(重要)
■ ジェルコートFの注意点

- うがいは軽めに
フッ素を歯に残すことで効果が高まります。
大量の水で何度もすすぐと予防効果が下がります。 - 長期間の“連続つけっぱなし”はNG
塩酸クロルヘキシジン配合のため、
必要以上の頻回使用は味覚の違和感や着色の原因になることがあります。
用法・用量を守りましょう。 - 着色(ステイン)が出ることがある
コーヒー・紅茶・ワインをよく飲む人は歯面に着色がつきやすい場合があります。
定期的なクリーニングで対応可能です。 - 発泡しない=磨けていないわけではない
泡立たないのは低刺激設計のため。
時間をかけて丁寧に磨くことが大切です。 - 6歳未満は使用を控える
高濃度フッ素(1450ppm)のため、
年齢に応じた歯磨剤を選びましょう。 - アレルギー既往がある方は要確認
口腔内のかゆみ・腫れなど異常が出た場合は使用を中止し歯科医へ。
■ マウスジェルの注意点

- 歯磨きの代わりにはならない
これは保湿ケアです。
プラーク除去の機能はありません。 - 塗りすぎない
厚く塗るとベタつきや違和感の原因になります。
薄く均一にが基本です。 - 誤嚥リスクに配慮
介護場面では少量ずつ、
姿勢を整えて使用します。 - 強い乾燥が続く場合は原因の確認を
薬の副作用・シェーグレン症候群など、
医療的評価が必要なケースもあります。 - 開封後は衛生管理を徹底
チューブ先端が粘膜に触れないようにし、
清潔に保管しましょう。
8. よくある誤解Q&A

Q. 口臭対策にはどちら?
→ 原因が乾燥ならマウスジェル、細菌由来ならジェルコートF。
Q. 電動歯ブラシでも使える?
→ ジェルコートFは研磨剤なしで相性良好。
Q. どれくらいで効果を感じる?
→ 乾燥対策は即日、むし歯・歯周病予防は継続が前提。
◎ 使用量の目安
- ジェルコートF:歯ブラシ全体に薄く
- マウスジェル:米粒〜小豆大を部位ごとに
◎ こんな症状は受診のサイン
- 口の乾燥で夜間に目が覚める
- 歯ぐきの出血が2週間以上続く
- 口臭が急に強くなった
◎ 成分の役割ミニ解説
- フッ化物 → 再石灰化促進
- クロルヘキシジン → 殺菌
- ラクトフェリン → 抗菌・保護
まとめ|「ジェルコートF」と「マウスジェル」の決定的な違い

歯科医院でよく見かけるコンクールの「ジェルコートF」と「マウスジェル」は、
見た目は似ていても目的が真逆。
ジェルコートFはフッ化物とクロルヘキシジンで細菌を抑え、
むし歯・歯周病を予防する“攻め”の歯磨きジェル。
一方マウスジェルは唾液の代わりに粘膜を保湿し、
乾燥や不快感を和らげる“守り”のケア用品。
悩みの種類で選び、併用すれば殺菌と保湿の両立が可能。
正しい使用法と注意点を守ることが効果を高めるポイントです。
▶ 口腔保湿ジェルおすすめ5選|ドライマウス対策に本当に使えるジェルはこれ
【監修・執筆】とうま
日本歯周病学会認定歯科衛生士/歯科臨床麻酔認定歯科衛生士/ホワイトニングコーディネーター
20年以上の臨床経験を基に、日本歯周病学会認定歯科衛生士をはじめとする複数の専門資格を有し、質の高い医療提供を追求している。
予防歯科、歯周治療、ホワイトニング分野を中心に、専門的知識をわかりやすく伝え、患者さんやそのご家族が安心できる情報を発信。



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