2024年【日本歯周病学会】認定歯科衛生士の資格取得について男性歯科衛生士が徹底解説!

男性歯科衛生士

歯周治療に携わっている歯科衛生士なら取得しておきたい資格です!

当ブログ管理人で、男性歯科衛生士として歯科医院で働き21年目になりました。【日本歯周病学会】認定歯科衛生士として日々、歯周治療やメインテナンスにも力を入れています。

歯周治療に携わっている歯科衛生士なら、【日本歯周病学会】認定歯科衛生士は目指すべきおすすめ資格です。また、歯周治療に興味がある方や、歯周治療を始めたばかりの方でも、この記事を参考に資格取得を目指しましょう。

この資格は、歯周病専門医が医院にいない場合でも取得することが可能です。担当患者さんがいるすべての歯科衛生士にチャンスがあります。

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日本歯周病学会認定歯科衛生士になるメリット

  1. 専門知識と技術の向上: 認定歯科衛生士の資格を取得するためには、高いレベルの知識と技術が求められます。これにより、歯周病に関する専門的な知識とスキルが向上し、患者さんにより良いケアを提供することができます。
  2. キャリアアップの機会: 認定資格を持つことで、歯科業界内での評価が高まり、キャリアアップの機会が増えます。特に歯周病治療に力を入れている歯科医院やクリニックでの就職や昇進に有利です。
  3. 患者さんからの信頼性の向上: 認定資格を持っていることは、患者さんに対して専門性の高さを示す証となります。これにより、患者さんからの信頼性が向上し、安心して治療を受けてもらえるようになります。
  4. 自己研鑽の機会: 認定歯科衛生士としての資格を維持するためには、定期的な研修や教育を受ける必要があります。これにより、常に最新の知識と技術を学び続けることができ、自己成長につながります。
  5. 歯科チーム内での役割の拡大: 専門的な知識とスキルを持つことで、歯科医師や他の歯科衛生士と協力しながら、より専門的な治療計画の立案や実施に積極的に参加することができます。
  6. 学会やセミナーでの交流: 日本歯周病学会に参加することで、同じ志を持つ専門家とのネットワーキングが可能となり、情報交換や共同研究の機会が得られます。

これらのメリットにより、日本歯周病学会認定歯科衛生士は、専門性を高め、キャリアを向上させ、患者さんに高品質な歯周病治療を提供することができるようになります。

取得→合格→更新までの大まかな流れ

  1. 歯科衛生士になり、通算5年以上の歯周病臨床経験が必要
  2. 日本歯周病学会の会員となり、2回以上の学術大会の参加証が必要
  3. 自分が担当した歯周炎患者の中から、5症例を提示(書類審査)
  4. そのうち1症例をケースプレゼンテーション(10分間)と口頭試問(5分間)
  5. 試験に合格すると、資格取得となる
  6. 認定期間は5年間
  7. 更新の申請が必要

資格にチャレンジするまでには、5年の年月がかかります。
しかし、それまでの間に必要な検査や写真、歯周治療の経過など症例にデータを確実に記録しておきましょう。
症例に必要なデータもこの記事の後半でまとめました。

認定歯科衛生士の申請基準を満たそう

認定歯科衛生士制度規則によると

(1) 歯科衛生士の免許証を有する者
(2) 通算5年以上の歯周病学に関する教育および研修
 と臨床経験を有する者またはこれと同等以上の経験
  を有すると認められた者
(3) 認定歯科衛生士申請時に実務経験単位と教育研修単位の合計30単位以上を有する者
(4) 認定歯科衛生士試験に合格した者
(5) 認定歯科衛生士申請時に学会会員であること
(6) 規定に基づき禁煙宣言に対して同意した非喫煙者であること

このように記載されています。

実際に申請してみて必要だった感じたこと

資料集め編

実は7,8年前に一度、新規申請しようと思い資料を作成しておりました。
しかし、義歯使用患者の義歯装着時の口腔内写真が撮影出来ていなかったことに気が付き、ようやく5症例できたと思いましたが、資料不足で一度断念した経緯がありました。

症例対象者を選ぶときは、義歯を使用していない患者さんまたは、使用している方を症例にする場合は、義歯を外した状態と義歯装着時の口腔内写真も必ず撮影しておくことが必要です。

書類申請編

私は、結婚して名字変更したため、歯科衛生士免許や会員管理情報システムに変更手続きを事前におこないました。また、勤務先が変わっている場合も事前に変更しておくとよいでしょう。

また、過去に参加した学術大会の参加証や歯科衛生士教育公演の研修単位証明書は、必ず保管しておきましょう。

書類審査編

5症例分、初診から歯周基本治療で患者さんに対しおこなったOHIや処置内容について詳細を記載しましたが、SPT移行時から現在までの処置内容を詳しく記載せずに再提出となりました。

SPTやメインテナンス移行から現在までの期間が短い場合は、詳細がない又は少なくても差し支えないと思いますが、私の場合は、10~19年経過の症例を提示しましたので、処置内容をカルテやDHの業務記録を見返しながら記載し、かなり時間がかかりました。

また、口腔内写真も前歯部舌側の写真を提出しましたが、咬合面全体が写っている写真に差し替えるよう指示がありました。

ケースプレゼンテーション編

ここ数年はコロナ下のためZoomを使いリモートでケースプレゼンテーションをおこないました。この状態がいつまで続くか分かりかねますが、パソコンとZoomアプリを使った発表に慣れてない方は、事前に何度か練習しておいた方が良いでしょう。
本番で慣れていないことをすると、ちょっとしたトラブルで余計に焦ったり緊張することもあります。本番までにZoomとパワーポイントの発表者ツールを使い、時間を見ながら10分以内でプレゼンする練習をおこないましょう。
症例発表は9分~9分30秒程度で終わるように事前に調整しておくとよいでしょう。

私の場合は、10分ジャストで終わりましたが、最後のまとめでは、時間に追われ焦って早口になってしまいました。

口頭試問編

口頭試問は自分がケースプレゼンテーションした内容からの質問ですので、スタッフや歯科医師にケースプレゼンテーションとその後の質問に答えられるよう事前にシュミレーションしておきましょう。

例えば、

自分が使っているスケーラーのメーカーやシャンクの長さの違いは?
(使用しているグレーシーキュレットのメーカーは?スタンダードとロングシャンクの第一シャンクの長さの違いは何ミリ?)

学会が推奨している正しい名称や用語の理解は?
・歯周初期治療× 歯周基本治療〇
・メンテナンス× メインテナンス〇
・SPTとメインテナンスの違いは?

口腔所見から疑う習癖については?
・ブラキシズムのある患者さんの口腔内所見は?

どうしてその器具や器材を使用したのかその理由は?
・超音波スケーラーではなく、エアースケーラーを使った理由は?

など、いくつか想定しておくと本番は、気持ちに余裕が生まれます。

資格取得にあたって事前に絶対に必要な記録

下記の項目は超重要!必須資料です。

  1. 初診時:主訴、パノラマ又はデンタル10~14枚法、歯周精密検査(6点法)、PCR(O’Leary)
        口腔内写真(正面、側方面左右、咬合面上下の5枚)
  2. SPTまたは、メインテナンス移行時:歯周精密検査(6点法)、PCR(O’Leary)
        口腔内写真(正面、側方面左右、咬合面上下の5枚)
  3. 最新:パノラマ又はデンタル10~14枚法、歯周精密検査(6点法)、PCR(O’Leary)
        口腔内写真(正面、側方面左右、咬合面上下の5枚)
  4. 上記の期間、歯科衛生士が担当患者に対しておこなった処置内容を記録

新規申請前に絶対に必要なもの

申請前に書類が揃っていることを確認しましょう。

  • 歯科衛生士免許証のコピー(A4判縮小コピー可)
  • 学会参加証や研修単位証明書
  • 日本歯周病学会員であり、所属が「会員情報管理システム OHASYS」内のデータと同一

書類審査に必要なもの

それでは、日本歯周病学会ホームページより、認定歯科衛生士の新規申請をする方へを参考にステップ1申請資格、2申請と試験、3登録と更新と進んでいきましょう

ステップ1申請資格

申請資格チェックシート

各位の入会年月日の確認は「会員管理システム」にてご確認ください。

歯周病の新分類への対応

歯科医師の診断にはなりますが、歯周病診断名は、まずは「限局型か広汎型か」、次にこれまで分類法である「慢性歯周炎か侵襲性歯周炎か」を記し、その次にステージ、最後にグレードを記載します。
具体的には、
広汎型 慢性歯周炎 ステージIII グレードB
限局型 侵襲性歯周炎 ステージIV グレードC
のように記載します。

ステップ2申請と試験

「認定歯科衛生士になるための手順」を参考に申請書類を作成してください。

申請書類の作成

下記より申請書類をダウンロードして、「資料の作成基準および送付方法」「認定医専門医申請における医薬品・機器の使用に関する考え方」(薬機使用の考え方)を参考に作成してください。なお、申請書類は最新版で作成してください。

様式1(18KB)

様式2(17KB)

様式3(16KB)

様式4(18KB)

様式5(17KB)

様式6(19KB)

様式7-1 ※下記のチャート作成プログラム(JSP-Chart Ver4)より作成

様式7-2 ※下記のチャート作成プログラム(JSP-Chart Ver4)より作成

様式7 作成プログラム(「JSP-Chart Ver4」自己解凍形式インストーラ)
※Windows7, 8.1, 10(32Bit,64Bit)対応
※現バージョン:Ver.4.0.6(2021.9.16update)
※操作マニュアルPDFは自動でインストールされますインストール用ファイル JSP_V406.EXEをダウンロードする(約19.3MB)
※本プログラムはヘミセクション・過剰歯には対応しておりません。そのような症例をご提出頂く場合は、手書きで対応頂きますようお願い致します。

様式8(21KB)

症例提出用テンプレート(92KB)

申請手続き(書類提出と申請料支払い)

申請フォーム送信後、申請書類を電子媒体と紙媒体の両方の形式でご提出ください。

A.電子媒体
「資料の作成基準および送付方法」に従い、申請書類を電子化されましたら、下記書類提出フォームよりお手続きをお願いいたします。

B.紙媒体
電子媒体の提出が終わりましたら、印刷した紙媒体を期日までに学会事務局まで提出してください。

申請フォーム

書類提出フォーム
※フォルダ内に各様式ファイルを収納してフォルダでアップロードしてください。フォルダ名を「例 認定歯科衛生士新規 歯周花子」としてください。
※提出時の各様式ファイル名は「例 認定歯科衛生士新規様式○ 歯周花子」としてください。

申請期間 ※下記期間以外の申請は受け付けておりません

2024年6月10日(月)~6月28日(金)提出(紙媒体郵送については消印有効)および入金完了

書類審査は2024年7月頃、ケースプレゼンテーション試験は2024年9月を予定しています。

問合せ・申請資料送付先

特定非営利活動法人日本歯周病学会事務局
〒170-0003 東京都豊島区駒込1-43-9 駒込TSビル4階(一財)口腔保健協会内
TEL:03-3947-8891 FAX:03-3947-8341 e-mail:gakkai16@kokuhoken.or.jp

お問い合わせフォーム

ケースプレゼンテーション試験について

書類審査合格後、ケースプレゼンテーション試験を行います。詳細は書類審査終了後、各申請者に郵送にてお知らせします。
※諸般の状況により審査日および審査方法が変更になる場合がございます。郵送またはメールでの連絡を行い場合がございますので、必ず学会に登録している郵送物送付先およびメールアドレスを確認してください。
https://ohasys.net/login

Step3 登録と更新

登録について

理事会で認定承認をされた方は、下記1. および2. の両方の登録手続きをおこなってください。

  1. 登録申請書の提出
    合格者には登録申請書を送付しますので必要事項を記入し、郵送にて提出してください。
  2. 登録料:22,000円(税込)の入金
    合格通知書中に記載のある振込先へ定められた期限内に登録料を納入してください。

更新について

資格取得後、5年毎に更新申請が必要です。
認定歯科衛生士の更新申請の手続き

まとめ

日本歯周病学会認定歯科衛生士は、歯周治療に携わる歯科衛生士なら一度は耳にしたことがある資格だと思います。
患者さんを担当している歯科衛生士の方は、こちらの記事を参考に取得に励んでいただけると幸いです。

そのためには、医院の仕組みとして、歯周治療を有する患者さんにはレントゲン・歯周精密検査・口腔内写真撮影を確実におこなう仕組みを確立しておくと、自然と症例が増えていきます。

5症例提示するには、私の場合は300人近い担当患者さんの中からようやくピックアップしましたが、歯周炎患者さんを積極的に担当させてもらうように勤務先で調整することができると、比較的早く5症例提示することができます。

途中で中断したり、思うように歯周炎が改善しない場合もありますので念のため、10症例くらい候補の患者さんがいると安心です。

以上を参考にし、日本歯周病学会認定歯科衛生士の取得を目指し励んでください。

これからも、男性歯科衛生士として様々な記事を書きますので参考にしていただけると幸いです。
そして、一緒に充実した歯ッピーな歯科衛生士ライフを満喫しましょう!

男性歯科衛生士
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