歯科医院で「歯肉炎ですね」と言われた。ドラッグストアの歯磨き粉には「歯槽膿漏の予防」と書いてある。ネットで調べると「歯周病」という言葉が出てくる。
——これは全部、同じ話なのでしょうか。それとも、違う病気なのでしょうか。
こんにちは。認定歯科衛生士のとうまです。歯科クリニックで20年以上、患者さんのお口の中を見てきました。歯周病の認定資格を持っていて、まさにこの分野が専門です。
この質問は、臨床でも本当によく聞かれます。そして先にお伝えしておくと、混乱するのが当たり前なんです。理由はこの記事の後半でお話ししますが、ひとことで言えば「昔の呼び方と今の呼び方が、いまだに混ざったまま使われているから」です。あなたの理解力の問題ではありません。
この記事では、まず3つの言葉の違いをはっきりさせます。そのうえで、ご自分が今どのあたりにいそうかを確かめて、次に何をすればいいかまでご案内します。
【結論】3つの言葉の違いを、ひとことで
先に答えを書きます。
- 歯肉炎……歯ぐきだけが炎症を起こしている段階。元に戻せます
- 歯周炎……歯を支えている骨まで溶け始めた段階。溶けた骨は、自然には元に戻りません
- 歯槽膿漏……歯周炎の、古い呼び方です。今は「歯周炎」「歯周病」が正式な言い方になっています
そして「歯周病」は、歯肉炎と歯周炎をまとめて呼ぶときの総称です。大きな傘だと思ってください。「歯周病と言われた」だけでは、まだどちらの段階なのかは分かりません。
| 歯肉炎 | 歯周炎 | |
|---|---|---|
| 炎症の場所 | 歯ぐきだけ | 歯ぐき+歯を支える骨 |
| 骨 | 溶けていない | 溶け始めている |
| 元に戻るか | 戻せる段階 | 戻らない (進行を抑える段階) |
| 古い呼び方 | ー | 歯槽膿漏 |
いちばん大事なのは、歯肉炎と歯周炎のあいだに、はっきりした線が1本あるということです。その線とは、歯を支える骨が溶けているかどうか。ここを境に、できることが変わります。
ただし、正直にお伝えしておきます。この線のどちら側にいるかは、ご自分では分かりません。骨の状態はレントゲンでしか見えないからです。ですのでこの記事は、診断のためではなく、「どちらの可能性が高そうか」を知って、次の一歩を決めるためのものとしてお読みください。

あなたはどの段階?おうちでできるセルフチェック
先に、大事なことを書いておきます。これから並べるチェック項目は、診断ではありません。「あなたは歯周炎です」と決めるためのものではなく、歯科医院で検査を受けたほうがいいかどうかの目安です。当てはまったからといって、あわてる必要はありません。
Aグループ|歯ぐきからのサイン
- 歯みがきのときに、血が出ることがある
- 歯ぐきの色が赤い、または赤黒い
- 歯ぐきが丸くふくらんで、ぶよぶよしている
- 朝起きたとき、口の中がねばつく
- 口臭が気になる、または家族に指摘されたことがある
Bグループ|進行しているかもしれないサイン
- 歯が前より長くなったように見える(歯ぐきが下がってきた)
- 歯と歯のあいだにすき間ができて、食べ物がはさまるようになった
- かたいものが噛みにくい、噛むと歯が浮くような感じがする
- 歯が少しぐらぐらする
- 歯ぐきを押すと、膿のようなものが出ることがある
結果の見方は、次のとおりです。
- Aだけに当てはまる……歯肉炎の段階にとどまっている可能性があります。毎日のケアの見直しで、改善が期待できる範囲です
- Bにも当てはまるものがある……歯周炎まで進んでいる可能性があります。セルフケアだけで元に戻すことは難しい段階です
- ひとつも当てはまらない……よい状態です。ただし歯周病は、初期には痛みがほとんど出ません。「症状がない=健康」とは限らないので、定期的な検査は続けてください
くり返しますが、これはあくまで目安です。Bに当てはまっても軽い炎症のことがありますし、Aだけでも骨が溶け始めていることがあります。当てはまる項目が多かった方は、自己判断せず、歯科医院で検査を受けてください。
段階別に、いま何をすればいいか
ここがこの記事のいちばん大事なところです。言葉の違いが分かっても、次の行動が変わらなければ意味がありません。
歯肉炎の段階と思われる方へ|変えるのは「道具」より「当て方」です
歯肉炎は、毎日のケアで改善が期待できる段階です。ここが歯周炎との決定的な違いで、いちばんの朗報でもあります。
やることは、実はひとつだけです。歯と歯ぐきの境目についた汚れ(プラーク)を、毎日きちんと落とすこと。炎症を起こしているのは、この汚れの中にいる細菌だからです。原因がなくなれば、歯ぐきは落ち着いてきます。
ポイントを3つに絞ります。
- 歯ブラシは、歯と歯ぐきの境目に当てる。歯の面だけをこすっても、炎症は変わりません。毛先を境目に軽く触れさせるつもりで
- 力を入れない。強く磨くと、歯ぐきが下がる原因になります。歯ブラシはやわらかめのほうが、境目に毛先が入りやすくなります
- 歯と歯のあいだは、歯ブラシでは届きません。ここはデンタルフロスか歯間ブラシの担当です。日本歯周病学会も、歯ブラシだけでは歯と歯のあいだは磨ききれないため、フロスや歯間ブラシの使用が必要だとしています
そして「血が出るから、そこは磨かない」——これがいちばんもったいない選択です。出血は、そこに炎症があるというサインです。やさしく、でも毎日きちんと触れ続けることで、多くの場合は落ち着いていきます。
目安は2週間です。ケアを見直して2週間ほど続けても出血や腫れが変わらない場合は、歯石が原因になっていることが多いです。歯石は、歯みがきでは取れません。その場合は歯科医院で取ってもらう必要があります。
歯周炎の段階と思われる方へ|ここははっきり書きます
歯周炎まで進んでいる場合、セルフケアだけで元に戻すことはできません。
これは、ケアの努力が足りないという話ではありません。溶けてしまった骨は、歯みがきでは戻らない——ただそれだけの、体のしくみの話です。日本歯周病学会も、歯周病によって歯槽骨が吸収してしまうと元には戻らないとしています(条件が合う場合に限り、歯科医院で行う再生療法である程度の回復が期待できるとされていますが、誰にでもできる治療ではありません)。
ですので、この段階でやるべきことは「歯科医院で検査を受けること」です。順番が逆になると、時間だけが過ぎてしまいます。
不安をあおるつもりはないので、事実だけを書きます。歯周炎は、痛みが出ないまま進むことが多い病気です。逆に言えば、早めに手を打てば、進行を抑えて長く使っていけるということでもあります。
歯科医院では、歯周ポケットの深さを1本ずつはかる検査(4mm以上あると進行のサインとされています)と、骨がどれくらい残っているかを見るレントゲン撮影で、今の段階をはっきりさせます。どちらも、ご自分では確かめようのない部分です。そのうえで、歯みがきでは取れない歯石の除去(スケーリング)に進みます。
「怒られそうで行きにくい」という声を、本当によく聞きます。でも、私たちが見ているのは今の状態と、これからどうするかだけです。何年ぶりでも、まったく気にしなくて大丈夫です。
どちらか分からない方・どの段階の方にも共通すること
歯肉炎か歯周炎かは、検査を受けないと分かりません。そしてそれでいいと思っています。判断は歯科医院の仕事で、読者の方がやることは、どちらの段階でも大きくは変わらないからです。
- 毎日、歯と歯ぐきの境目の汚れを落とす……歯周炎でも、これをやめていい理由はひとつもありません
- 歯と歯のあいだを、毎日1回は通す……歯間ブラシの選び方とサイズの合わせ方にまとめています。サイズが合っていないと、かえって歯ぐきを傷つけることがあります
- 定期的に検査を受ける……歯周病は自覚症状が出にくく、「痛くなったら行く」では間に合わない種類の病気です
道具から見直したい方は、歯ブラシの選び方(テペ歯ブラシを年齢・目的別に比較)もどうぞ。歯周病が気になる方には、やわらかめでコンパクトなヘッドのものが、境目に当てやすいと思います。

ここから先は、詳しく知りたい方へ
ここまでで、この記事の要点は全部お伝えしました。「言葉の違いが分かって、次にやることも決まった」という方は、ここで読むのをやめていただいて大丈夫です。
ここから先は、もう少し深く知りたい方向けの話になります。とくに「なぜこんなに言葉が紛らわしいのか」という疑問には、はっきりした答えがあります。
なぜ「歯槽膿漏」という言葉は使われなくなったのか
まず、言葉そのものの意味を見てください。「歯槽」とは、歯が植わっている骨のくぼみのこと。「膿漏」は、字のとおり膿が漏れるという意味です。つまり「歯を支える骨のところから膿が出ている状態」を表した言葉が「歯槽膿漏」でした。
ここに、この言葉の限界があります。膿が出るのは、かなり進行してからです。歯ぐきが赤く腫れて血が出る段階でも、骨が少しずつ溶け始めた段階でも、膿は出ません。つまり「歯槽膿漏」は、病気の最後のほうの一場面しか表していなかったのです。
そこで、歯ぐきの炎症から骨が溶けるところまでを、ひとつながりの病気としてとらえ直そうという流れになりました。そうして整理されたのが、「歯周病」という総称と、「歯肉炎」「歯周炎」という段階の呼び分け——つまり今の呼び方です。
この切り替えは、実はかなり昔に起きています。
日本歯周病学会の公式な沿革によれば、この学会の学術大会は1958年から1967年までは「日本歯槽膿漏学会」という名前で行われ、1968年から「日本歯周病学会」に改められました。専門の世界では、50年以上前に言い方が変わっていたことになります。
それなのに、なぜパッケージには今も「歯槽膿漏」と書いてあるのか
ここが、多くの方がつまずくところです。
答えは、商品の表示ルールのほうに、古い言葉が残っているからです。
薬用の歯磨き粉(医薬部外品)が表示できる効能は、国が定めた「薬用歯みがき類製造販売承認基準」で決められています。そこに書かれている文言が、「歯周炎(歯槽膿漏)の予防」「歯肉(齦)炎の予防」——つまりかっこ書きで「歯槽膿漏」が併記されたままなのです。
メーカーはこの基準の文言に沿って表示しますから、パッケージには今も「歯槽膿漏の予防」と書かれることになります。
まとめると、こういうことです。
- 学会や歯科医院……「歯周病」「歯周炎」を使う(50年以上前から)
- 商品のパッケージ……表示ルールに沿って「歯槽膿漏」も使う(今も)
- 患者さんやご家族の会話……昔から耳になじんだ「歯槽膿漏」が生きている
3つの世界で、別々の言葉が同時に使われている。だから混乱するのです。あなたが分かりにくいと感じたのは、まったく正しい感覚でした。
歯肉炎から歯周炎へ、どう進んでいくのか
「骨が溶ける」と聞くと怖い響きですが、しくみが分かると落ち着いて受け止められます。順を追って説明します。
① 健康なとき
歯と歯ぐきのあいだには、もともと1~3mmほどの浅い溝があります。これを歯肉溝(しにくこう)といいます。誰にでもある、正常な溝です。
② 歯肉炎のとき
この溝に汚れ(プラーク)がたまると、その中の細菌に反応して歯ぐきが炎症を起こします。歯ぐきが腫れてふくらむので、溝は見かけ上、深くなります。
ここで大事なのは、この深さは「歯ぐきが腫れたぶん」であって、骨はまだ壊れていないということです。だから、腫れが引けば溝も元の深さに戻ります。歯肉炎が「元に戻せる段階」と言われるのは、このためです。
③ 歯周炎のとき
炎症が長く続くと、歯と歯ぐきをつなぎとめている部分や、歯を支えている骨(歯槽骨)そのものが壊れていきます。こうしてできた深いすき間を歯周ポケットと呼び、深さが4mm以上になると進行しているサインとされています。
ここからが、この病気のやっかいなところです。ポケットが深くなると、その底に歯ブラシの毛先は届きません。届かないので汚れが残り、細菌にとって居心地のいい場所になります。すると炎症が続き、ポケットはさらに深くなる——この繰り返しで、自然には止まりにくくなるのです。
そして溶けた骨は、自然には戻りません。だから歯周炎の治療の目標は、「元に戻すこと」ではなく「炎症を抑えて、これ以上進ませないこと」になります。
ここを誤解しないでいただきたいのですが、「もう手遅れ」という意味ではありません。進行を止めて、今ある歯を長く使っていくことは十分にできます。ただ、それには歯科医院での検査と処置が必要で、歯磨き粉やうがい薬では代われない——そういう話です。

「歯磨き粉で歯周病は治る?」に、正直に答えます
いちばん知りたいのは、ここだと思います。歯科衛生士として、正直にお答えします。
歯磨き粉で歯周病が治ることはありません。
理由は3つあります。
1つめ。効能として認められているのは「予防」までです。薬用の歯磨き粉(医薬部外品)が表示できるのは、「歯周炎(歯槽膿漏)の予防」「歯肉炎の予防」という文言です。「治す」ではなく「予防」——ここが、国が認めている範囲のすべてです。
2つめ。歯石は、歯磨き粉では取れません。歯石は歯にこびりついて固まったもので、歯科医院の器具でなければ取り除けません。炎症の原因が歯石にある場合、どんな歯磨き粉を使っても状況は変わりません。
3つめ。日本歯周病学会も、慎重な言い方をしています。学会の一般向けQ&Aでは、歯磨き粉に含まれる薬効成分について触れたうえで、現時点で日本の市販製品に歯周炎の予防・治療に効果があるという十分な根拠があるものはないとしています。そして大事なのは、プラークをしっかり除去するようにブラッシングすることだと述べられています。
では、歯磨き粉は選ぶ意味がないのか
そうは思いません。ここも正直に書きます。
歯磨き粉の役割は、「汚れを落とすこと」ではなく「落としたあとを助けること」です。汚れを落とすのは、あくまで歯ブラシの毛先と、歯間ブラシ・フロスの仕事。歯磨き粉は、そのうえに殺菌成分や、炎症をやわらげる成分を届ける役目を持っています。
だから私は、患者さんにこうお伝えしています。
- 歯磨き粉を変えても、磨き方が変わらなければ、ほとんど変わりません
- でも、磨き方を整えたうえで成分を選ぶなら、意味はあります
- いちばん大事なのは、味や刺激が合っていて、毎日ちゃんと使えること
そのうえで「どの歯磨き粉を選べばいいのか」を知りたい方は、成分ごとの働きと製品の比較を歯周病予防の歯磨き粉の選び方にまとめてあります。IPMPやCPCといった殺菌成分、トラネキサム酸などの抗炎症成分が、それぞれ何をしているのかを解説しているので、この記事を読んだあとに見ていただくと、選ぶ理由がはっきりすると思います。
うがい薬(マウスウォッシュ)も、考え方は同じです。日本歯周病学会は、ブラッシングをきちんと行ったうえで使えば補助的な効果が期待できるとしつつ、プラークはうがい薬だけでは除去できないと述べています。「歯みがきの代わり」ではなく「歯みがきの上乗せ」——この順番さえ間違えなければ、上手に使えます。製品ごとの違いは歯周病予防のマウスウォッシュの選び方でお話ししています。
臨床20年で見てきたこと
最後に、数字や定義ではなく、実際に患者さんのお口の中を見てきて思うことを書かせてください。
「血が出るから磨かない」が、いちばん多い遠回りです
出血を見ると、多くの方が「傷つけてしまった」と思って、そこを避けるようになります。気持ちはとてもよく分かります。でも、出血はたいてい「そこに炎症がある」というサインのほうです。避けると汚れが残り、炎症は続きます。
患者さんには、磨いて出血した場合でも痛みが無ければそのまま続けてください。もし、磨いた時に痛みを感じる場合は、歯肉が傷ついている可能性がありますので、痛みが出ない程度の強さでやさしく磨いてくださいと伝えています。
「歯槽膿漏」という言葉を聞くとき
診療室で「歯槽膿漏」という言葉が出てくるのは、たいていご年配の患者さんか、ご家族の話をされているときです。「父が歯槽膿漏で総入れ歯になって」というように、記憶と結びついた言葉として使われます。
患者さんには、歯肉の炎症の名称が以前は歯槽膿漏と呼ばれていましたが、今は歯周病と名称が変わりました。しかし、「どちらでも通じますのでお好きな呼び方でかまいません。」とお伝えしています。
歯肉炎の段階で来てくださった方は、本当に変わります
この仕事をしていて、いちばんうれしいのがこの瞬間です。歯肉炎の段階なら、変化がはっきり出ます。色が変わり、腫れが引き、出血が減っていく。ご本人が鏡を見て気づかれることも多いです。
私は患者さんの口腔内写真を撮影し、歯周病の改善を比較しながら、歯肉の変化を一緒に確認しています。写真を見比べると、歯肉の色味や腫れが引いた様子を客観的に捉えられます。また、歯磨きの際に出血が減ることも、患者さんご自身が実感しやすい変化の一つです。 患者さんが「磨いた時に血がでなくなった。」「歯肉の色がキレイになってきた。」など改善を実感してくれる瞬間が、私のやりがいにも繋がっています。
だからこそ、この記事を書きました。「歯肉炎」「歯周病」「歯槽膿漏」という言葉が紛らわしいせいで、「まだ戻せる段階」にいる方が、自分の状態を軽く見てしまうことがあるからです。言葉の違いを知ることは、そのまま「今できることの違い」を知ることでもあります。
よくある質問
Q. 歯周病と歯槽膿漏は、違う病気ですか?
A. 違う病気ではありません。「歯槽膿漏」は、歯周炎(歯周病が進行した状態)の古い呼び方です。日本歯周病学会も、1958年から1967年までは「日本歯槽膿漏学会」という名前でしたが、1968年から今の名前になっています。現在の正式な言い方は「歯周病」「歯周炎」です。
Q. 歯磨き粉のパッケージに「歯槽膿漏の予防」と書いてあるのは古い商品ですか?
A. いいえ、古い商品ではありません。薬用の歯磨き粉が表示できる効能は国の基準で決められていて、その文言が「歯周炎(歯槽膿漏)の予防」となっているためです。基準の文言に「歯槽膿漏」が残っているので、新しい商品でもそう表示されます。中身が古いわけではありません。
Q. 歯肉炎は、自分で治せますか?
A. 「治す」という言い方は避けますが、改善が期待できる段階です。歯肉炎は歯ぐきだけの炎症で、骨はまだ壊れていません。原因である汚れ(プラーク)を毎日落とし続けることで、多くの場合は落ち着いていきます。ただし歯石が付いている場合は、歯みがきでは取れません。2週間ほど続けても出血や腫れが変わらないときは、歯科医院で相談してください。
Q. 歯みがきで血が出るときは、磨くのを控えたほうがいいですか?
A. 基本的には、やさしく磨き続けてください。出血は、そこに炎症があるサインであることがほとんどです。避けると汚れが残り、炎症が続きます。力を入れずに、やわらかめの歯ブラシで、境目にそっと当てるのがコツです。ただし出血の量が多い場合、いつまでも止まらない場合、痛みが強い場合は、別の原因のこともあります。この場合は自己判断せず、歯科医院を受診してください。
Q. まだ20代ですが、歯周病になることはありますか?
A. あります。厚生労働省の令和6年歯科疾患実態調査では、4mm以上の歯周ポケットを持つ人の割合が、15〜19歳でも21.2%と報告されています。5人に1人ほどです。「若いから関係ない」とは言えません。むしろ歯肉炎のうちに気づけるという意味では、若い時期のほうがチャンスが大きいとも言えます。
Q. 歯科医院に行くと、どんなことをされますか?
A. まず検査です。歯周ポケットの深さをはかり、必要に応じてレントゲンで骨の状態を見て、今どの段階なのかをはっきりさせます。そのうえで、歯石を取る処置(スケーリング)などに進みます。いきなり歯を抜かれることはありませんので、安心して受けてください。
よくある質問
Q. 歯周病と歯槽膿漏は、違う病気ですか?
A. 違う病気ではありません。「歯槽膿漏」は、歯周炎(歯周病が進行した状態)の古い呼び方です。日本歯周病学会も、1958年から1967年までは「日本歯槽膿漏学会」という名前でしたが、1968年から今の名前になっています。現在の正式な言い方は「歯周病」「歯周炎」です。
Q. 歯磨き粉のパッケージに「歯槽膿漏の予防」と書いてあるのは古い商品ですか?
A. いいえ、古い商品ではありません。薬用の歯磨き粉が表示できる効能は国の基準で決められていて、その文言が「歯周炎(歯槽膿漏)の予防」となっているためです。基準の文言に「歯槽膿漏」が残っているので、新しい商品でもそう表示されます。中身が古いわけではありません。
Q. 歯肉炎は、自分で治せますか?
A. 「治す」という言い方は避けますが、改善が期待できる段階です。歯肉炎は歯ぐきだけの炎症で、骨はまだ壊れていません。原因である汚れ(プラーク)を毎日落とし続けることで、多くの場合は落ち着いていきます。ただし歯石が付いている場合は、歯みがきでは取れません。2週間ほど続けても出血や腫れが変わらないときは、歯科医院で相談してください。
Q. 歯みがきで血が出るときは、磨くのを控えたほうがいいですか?
A. 基本的には、やさしく磨き続けてください。出血は、そこに炎症があるサインであることがほとんどです。避けると汚れが残り、炎症が続きます。力を入れずに、やわらかめの歯ブラシで、境目にそっと当てるのがコツです。ただし出血の量が多い場合、いつまでも止まらない場合、痛みが強い場合は、別の原因のこともあります。この場合は自己判断せず、歯科医院を受診してください。
Q. まだ20代ですが、歯周病になることはありますか?
A. あります。厚生労働省の令和6年歯科疾患実態調査では、4mm以上の歯周ポケットを持つ人の割合が、15〜19歳でも21.2%と報告されています。5人に1人ほどです。「若いから関係ない」とは言えません。むしろ歯肉炎のうちに気づけるという意味では、若い時期のほうがチャンスが大きいとも言えます。
Q. 歯科医院に行くと、どんなことをされますか?
A. まず検査です。歯周ポケットの深さをはかり、必要に応じてレントゲンで骨の状態を見て、今どの段階なのかをはっきりさせます。そのうえで、歯石を取る処置(スケーリング)などに進みます。いきなり歯を抜かれることはありませんので、安心して受けてください。
まとめ|言葉の違いは、「今できることの違い」です
- 歯肉炎……歯ぐきだけの炎症。骨はまだ無事で、元に戻せる段階です
- 歯周炎……骨まで溶け始めた段階。溶けた骨は自然には戻らないので、目標は「進行を抑えること」になります
- 歯槽膿漏……歯周炎の古い呼び方。学会は1968年に「歯周病」へ切り替えましたが、商品の表示ルールに今も残っているため、パッケージでは見かけます
- 「歯周病」は、歯肉炎と歯周炎をまとめた総称。そしてどちらの段階かは、ご自分では分かりません(骨はレントゲン、深さは専用の器具で調べます)
- 歯磨き粉やうがい薬は、歯周病を治すものではありません。汚れを落とすのは歯ブラシと歯間清掃の仕事で、歯磨き粉はそれを助けるもの、という順番です
20年以上この仕事をしてきて思うのは、言葉が分からないせいで動けなくなっている方が、思っているよりずっと多いということです。言葉の整理がついたら、次は検査です。そこではじめて、ご自分がどの段階にいるのかが分かります。
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※この記事は、歯周病に関する一般的な情報をお伝えするものです。診断や治療を目的としたものではありません。セルフチェックは受診の目安であって、診断ではありません。歯ぐきの腫れ・出血・口臭・歯のぐらつきなどが気になる場合は、自己判断せず、歯科医院で検査を受けてください。商品の成分や効能効果の表示は、リニューアルによって変わることがありますので、購入前に必ずパッケージをご確認ください。
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【監修・執筆】とうま
日本歯周病学会認定歯科衛生士/歯科臨床麻酔認定歯科衛生士/ホワイトニングコーディネーター
20年以上の臨床経験を基に、日本歯周病学会認定歯科衛生士をはじめとする複数の専門資格を有し、質の高い医療提供を追求している。
予防歯科、歯周治療、ホワイトニング分野を中心に、専門的知識をわかりやすく伝え、患者さんやそのご家族が安心できる情報を発信。

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