ドラッグストアの歯磨き粉の棚の前で、パッケージの「1450ppm」という数字を見て、こう思ったことはありませんか。
「1450ppmって書いてあるものなら、どれを買っても同じなの?」
こんにちは。認定歯科衛生士のとうまです。歯科クリニックで20年以上、患者さんのお口の中を見てきました。この質問は、臨床でもとてもよく聞かれます。
【結論】フッ素1450ppmで買うなら、この3本から選べば失敗しません
先に答えを書きます。ドラッグストアで買える市販品で1450ppmの歯磨き粉を選ぶなら、次の3本のどれかにしておけば、まず外しません。
- 迷ったらこれ|クリニカ アドバンテージ ハミガキ ソフトミント(ライオン)……どこでも買えて、ミントの刺激もひかえめです
- ミントが苦手なら|Ora2 me(オーラツーミー)ステインクリア ペースト(サンスター)……フルーツ系の香味が選べます
- 歯ぐきも気になるなら|システマ ハグキプラス プレミアム ハミガキ(ライオン)……歯ぐきのケア成分も入っています
そして、いちばん大事なことを先に言ってしまいます。
1450ppmの製品どうしなら、むし歯予防の力に大きな差はありません。数字が同じだからです。違うのは、味・刺激・泡立ち・プラスされている成分——つまり「毎日続けられるかどうか」のほうです。ですからこの記事では、1位・2位という順位はつけていません。
※この記事では「フッ化物」と書きます。パッケージや広告でよく見る「フッ素」と同じものだと思って読んでください。学会や国の文書では「フッ化物(フッ素)」という書き方が使われています。
1450ppmとはそもそも何なのか、950ppmと何が違うのか、どう磨けば効くのか——そうした込み入った話は、この記事の後半にまとめました。商品を選ぶだけなら、前半だけで足ります。

1450ppmとは何か——選ぶ前に、これだけ知っていれば足ります
ここは「選ぶために必要な最低限」だけにします。くわしい理由は後半に置きました。
ppm(ピーピーエム)は、濃さを表す単位です。1450ppmは、歯磨き粉1グラムのなかにフッ化物イオンが1.45ミリグラム入っている、という意味になります。知っておいていただきたいのは、次の3つだけです。
- 日本で歯磨き粉に入れられるフッ化物の上限は1500ppmです。つまり1450ppmは、日本で買える実質いちばん高い濃度ということになります
- 2023年1月、日本の歯科4学会が合同で出した提言では、6歳以上は1400〜1500ppmFが推奨されています。子どもも大人も高齢者も、6歳以上は同じ枠です
- パッケージには「高濃度フッ素配合」「フッ素1450ppm配合」と書かれています。この表示がない製品は、それより低い濃度のことがあります
逆に言えば、店頭で確認するのは「1450」という数字ひとつだけです。ここさえ合っていれば、あとは好みで選んで構いません。
※4学会とは、日本口腔衛生学会・日本小児歯科学会・日本歯科保存学会・日本老年歯科医学会のことです。
【比較表】市販のフッ素1450ppm歯磨き粉5選
ドラッグストアで手に入るものだけを選びました。歯科医院でしか買えないものは、あえて1本も入れていません(歯科専売品は歯科専売の歯磨き粉ランキングにまとめています)。5本ともフッ化物1450ppmなので、比べるところは濃度ではなく「味・刺激」と「プラスされている働き」になります。
| 製品名 | 香味と刺激 | 清掃剤 | こんな人に |
|---|---|---|---|
| クリニカ アドバンテージ ソフトミント(ライオン) | ソフトミント 刺激ひかえめ | あり | まず1本目に |
| Ora2 me ステインクリア ペースト(サンスター) | フルーツ系ミントが選べる 刺激ひかえめ | あり | ミントが苦手 |
| クリアクリーン プレミアム 歯質強化(花王) | プレミアムミント 清涼感しっかり | あり(顆粒入り) | むし歯予防に集中したい |
| システマ ハグキプラス プレミアム(ライオン) | 香味が複数 刺激は中くらい | あり | 歯ぐきも気になる |
| ディープクリーン 薬用ハミガキ(花王) | ミント 刺激は中くらい | あり | 歯ぐきが下がってきた |
表の見方を3つだけ。
- 「清掃剤」は、いわゆる研磨剤のことです。今回の5本はすべて入っています。市販のペーストはほとんどがそうで、それ自体は問題ではありません(気になる方は後半で説明します)
- 香味は、同じ製品でも種類が分かれていることがあります。とくにミントが苦手な方は、購入時に香味の表示を必ず見てください
- 成分や濃度の表示は、リニューアルで変わることがあります。買うときにパッケージでご確認ください
この表で決められた方は、ここで読むのをやめていただいて大丈夫です。下に、それぞれの詳しい話を書いていきます。
5本それぞれの話——どう違うのか
ここからは1本ずつ、もう少し詳しく見ていきます。気になったものだけ読んでいただければ十分です。
①迷ったらこれ|クリニカ アドバンテージ ハミガキ ソフトミント(ライオン)
「とりあえず1450ppmに変えたい」という方に、最初におすすめするのがこれです。理由は単純で、どこのドラッグストアにもあるからです。歯磨き粉は続けてこそ意味があり、買いに行くのが面倒なものは続きません。
中身も、むし歯予防としてはよくできています。フッ化物1450ppm(フッ化ナトリウム)に加えて、歯垢を分解する酵素(デキストラナーゼ)と殺菌成分(LSS)が入っていて、フッ化物が歯にとどまりやすいようにした処方だと説明されています。
そして「ソフトミント」という香味があるのが、見逃せないところです。1450ppmの市販品はミントが強めのものが多いなか、刺激をひかえた選択肢が同じブランドの中にあります。「高濃度に変えたら辛くて続かなかった」という失敗を、いちばん起こしにくい1本です。
※香味の種類がいくつかあります。刺激が苦手な方は「ソフトミント」を選んでください。
②ミントが苦手な方へ|Ora2 me(オーラツーミー)ステインクリア ペースト(サンスター)
「1450ppmにしたいけれど、ミントが辛くて無理」——この相談は、本当に多いです。
ここで多くの方がやってしまうのが、「辛いから、濃度の低いものに戻す」という選択です。これはもったいないと思っています。辛さと濃度は別の話なので、1450ppmのまま、味だけ変えればいいのです。
その選択肢として現実的なのが、この製品です。フッ化物1450ppm配合でありながら、フルーツ系の香味が選べます。ハニーレモンミント、フレッシュキウイミント、ナチュラルミントなど、複数の香味が展開されています。着色(ステイン)をケアする設計にもなっているので、コーヒーやお茶をよく飲む方にも合います。
※香味の種類が多い製品です。購入時に、パッケージのフッ化物濃度の表示(1450ppm)を必ず確認してください。
※「フルーツ味=子ども用」ではありません。大人用として売られている製品です。辛いのが苦手なのは体質のようなもの。我慢して続かなくなるより、ずっと合理的な選び方だと思っています。
③むし歯予防に集中したい方へ|クリアクリーン プレミアム 歯質強化(花王)
「あれもこれも」ではなく、むし歯予防に振り切りたい方向けです。
フッ化物1450ppmに加えて、キシリトール(カルシウム補給助剤)とGPカルシウム(吸着促進剤)が入っていて、フッ化物が歯に吸着しやすいようにした処方だと説明されています。製品名がそのまま「歯質強化」なので、狙いがはっきりしています。
注意点も正直に書きます。香味は「プレミアムミント」で、清涼感はしっかりめ。ミントが苦手な方には向きません。また清掃剤に顆粒(Wa顆粒)が入っています。ざらっとした感触が好きな方には気持ちよく、苦手な方には合いません。②とは正反対の位置にある製品だと思ってください。
※歯ぐきが下がって歯の根もとが出ている方、知覚過敏がある方は、力を入れずに磨いてください。しみる症状が続く場合は、歯科医院でご相談を。
④歯ぐきも一緒にケアしたい方へ|システマ ハグキプラス プレミアム ハミガキ(ライオン)
大人になると、むし歯だけを気にしていればいい時期は過ぎます。歯ぐきの腫れ、みがくと血が出る、冷たいものがしみる——このあたりが同時に出てきます。
この製品は、フッ化物1450ppmに加えて、歯ぐきのケア成分(トラネキサム酸、酢酸トコフェロール=ビタミンE、IPMPなどの殺菌成分)と、しみるのを防ぐ成分(硝酸カリウム)が入っています。市販品でここまで盛り込まれているものは、そう多くありません。香味は複数展開されていて、刺激の強さも香味によって違うので、辛いのが苦手な方は表示を見て選んでください。
ただし、はっきり書いておきます。歯ぐきの腫れや出血は、歯磨き粉だけで解決するものではありません。原因のほとんどは歯と歯ぐきの境目に残った汚れと歯石で、歯石は歯みがきでは取れません。2週間ほど続けてもおさまらない場合は、自己判断せず歯科医院でご相談ください。
※歯周病のケアをもっと詳しく比べたい方には、歯科専売の歯磨き粉ランキングのほうが役に立ちます。
⑤歯ぐきが下がってきた方へ|ディープクリーン 薬用ハミガキ(花王)
年齢とともに歯ぐきが下がり、歯が長く見えるようになってきた——そういう方に向けて作られた製品です。
フッ化物1450ppmに加えて、抗炎症成分(β-グリチルレチン酸)、組織修復をうたう成分(ALCA)、血行促進成分(酢酸トコフェロール)、殺菌成分(CPC)が入っています。歯ぐきに対して、複数の角度から働きかける設計です。
そしてこの製品は、フッ化物の種類が「モノフルオロリン酸ナトリウム(MFP)」です。市販の歯磨き粉には、「フッ化ナトリウム(NaF)」のものと、こちらの「MFP」のものがあります。「どちらがいいの?」という疑問には後半でお答えしますが、結論だけ先に言うと、どちらでも構いません。
前半のまとめ|結局、どう選べばいいか
ここまでを3行にまとめます。
- 1450ppmと書いてあれば、むし歯予防の力はほぼ同じ
- だから「味・刺激」で選んでいい。続けられることが、いちばん効きます
- 歯ぐきやしみるのが気になるなら、そこに合わせた1本を選ぶ
商品を選ぶだけなら、ここまでで終わりです。お疲れさまでした。

ここから先は、もっと詳しく知りたい方へ
ここから先は「なぜそうなのか」を知りたい方向けです。商品を選ぶだけなら、ここまでで十分です。
でも、もし「1450ppmって、そもそも何がすごいの?」「950ppmと本当に違うの?」と思われたなら、ここからが本題です。
なぜ日本の上限は1500ppmなのか
じつは、日本で1450ppmの歯磨き粉が買えるようになったのは、そう昔のことではありません。
それまで日本では、歯磨き粉に配合できるフッ化物の上限は1000ppm。ところがスウェーデンをはじめとする諸外国では、国際基準である1500ppmが上限で、日本だけが低いところで止まっていました。
これが変わったのが2017年3月です。厚生労働省が、1000ppmを超えるフッ化物を配合した薬用歯みがき類を、医薬部外品として初めて承認しました。このとき、あわせて次のことが決められています。
- 6歳未満の子どもには使用を控える旨を表示すること
- 6歳未満の子どもの手の届かないところに保管する旨を表示すること
- フッ化物の濃度を、容器に記載すること
いまパッケージに「1450ppm」という数字が印刷されているのは、この3つ目のルールがあるからです。数字が書かれるようになったからこそ、私たちは店頭で濃度を比べられるようになりました。
そして「なぜ1500ppmではなく1450ppmなのか」ですが、上限が1500ppmと決まっているため、製品としては少し余裕をもたせた1450ppmという表示が主流になっています。つまり1450ppmは、事実上の上限だと考えていただいて構いません。
950ppmと1450ppm、実際どれくらい違うのか
ここが、この記事でいちばんお伝えしたいところです。
「高濃度」と聞くと、何倍も効きそうな気がします。でも、実際の差は、そこまで劇的ではありません。正直に書きます。
世界的によく引用されるWHOの報告(1994年)では、フッ化物イオン濃度が1000ppmを超える範囲では、500ppm高くなるごとに、う蝕(むし歯)の予防効果が約6%上乗せされるとされています。
950ppmと1450ppmの差は、ちょうど500ppmです。つまり目安としては「約6%の上乗せ」ということになります。
さらに、世界中の研究をまとめたコクランの系統的レビューでは、次のように整理されています。
- 永久歯では、1450〜1500ppmのほうが1000〜1250ppmより、新しいむし歯の本数をさらに減らした(※エビデンスの確実性は中等度とされています)
- いっぽうで、1700〜2200ppmや2400〜2800ppmまで濃度を上げても、1450〜1500ppmと新しいむし歯の本数は変わらなかった
この2つ目が、とても大事です。「濃ければ濃いほど効く」わけではなく、1450ppmあたりで上乗せ分は頭打ちになると考えられています。
では、この「約6%」をどう受け止めればいいのか。臨床の言葉に置き換えると、こうなります。
まず、6%は劇的な差ではありません。「1450ppmに変えたから、もうむし歯にならない」ということは絶対にありません。ここを勘違いすると、かえって危ないと思っています。
でも、無視するのはもったいない数字でもあります。歯みがきは1日2回、それが何十年も続きます。選ぶだけで、追加の努力なしに上乗せされる6%だと考えると、意味は小さくありません。
そして——ここからが本題です。私が臨床で感じている「差」は、濃度よりも使い方のほうが、はるかに大きいのです。
「NaF」と「MFP」、どちらを選べばいい?
パッケージの成分表示を見ると、「フッ化ナトリウム」(NaF)と書かれているものと、「モノフルオロリン酸ナトリウム」(MFP)と書かれているものがあります。同じ1450ppmでも、フッ化物の形が違うわけです。
一般には、NaFは歯の表面ですばやく反応する、MFPは歯の深いところまで届きやすいが作用はゆっくり、と説明されることが多いです。メーカーが使い分けているのは、いっしょに配合する他の成分との相性によるといわれます。
ただし、結論としては、どちらを選んでも構いません。2023年の4学会の提言は、フッ化物の「種類」ではなく「濃度」で推奨をまとめているからです。成分表示を見て悩む必要はありません。数字が1450ppmであることだけ、確認してください。
フッ化物を効かせる磨き方——濃度より、こちらのほうが差がつきます
臨床で毎日感じているのは、せっかく高濃度のものを買っても、使い方で台なしにしている方がとても多いということです。2023年の4学会の提言では、使い方についても具体的に示されています。
①量をケチらない——6歳以上は歯ブラシ全体(1.5〜2cm)
これがいちばん守られていません。ほとんどの方が、少なすぎます。「たっぷり出すのはもったいない」という気持ちは分かりますが、量が少なければ、口の中に行き渡るフッ化物の量も減ります。
実際の現場でも患者さんにどのくらいの歯磨き粉の量を使って磨いているかと聞くことがあります。たいていの場合、ほんの少しや歯ブラシの半分くらいという回答が大半をしめます。
②1日2回以上、そのうち1回は必ず寝る前に
寝ている間は唾液が減ります。唾液は口の中を洗い流し、酸を中和してくれるものなので、それが減る夜は、口の中がいちばん無防備になります。1回しかできない日があるなら、残すべきは夜です。
③すすぎは「少量の水で1回」だけ
ここがいちばん、みなさんが驚かれるところです。提言では、歯みがきのあとは歯磨剤を軽く吐き出し、うがいをする場合は少量の水で1回とされています。何度もゆすぐと、せっかく口の中に広がったフッ化物が流れ出てしまうからです。「まったくすすいではいけない」という意味ではありません。
実際に患者さんには歯磨き後のすすぎは ペットボトルのキャップ一杯くらいで十分と説明します。たいていの方が驚きます。3回くらいすすいでた。歯磨き粉の味がなくなるまですすいでました。このような内容がほとんどです。
④磨いたあとは、しばらく飲食を控える
せっかくとどまったフッ化物も、すぐに飲み食いすると流れてしまいます。夜みがいたあとは、そのまま寝るのがいちばん理にかなっています。
この4つは、歯磨き粉を950ppmから1450ppmに変えるより、はっきり効きます。お金もかかりません。もし今日ひとつだけ変えるなら、私は「すすぎを1回にする」をおすすめします。
6歳未満のお子さんには使わないでください
1450ppmの製品には、必ず「6歳未満のお子様への使用はお控えください」と表示されています。2017年の承認のときに決められたルールです。小さいお子さんは、まだうまく吐き出せず、飲み込んでしまう量が読めないためです。6歳未満の手の届かないところに保管してください。
年齢ごとの濃度と使用量については、【歯科衛生士厳選】子供の歯磨き粉おすすめ7選|年齢別のフッ素濃度を徹底解説にくわしくまとめています。お子さんがいるご家庭は、そちらをご覧ください。
※中学生・高校生のお子さんについては、中学生・高校生の歯磨き粉の選び方でお話ししています。
よくある誤解Q&A
Q. フッ化物は体に悪いと聞きました。1450ppmは大丈夫ですか?
A. 不安に思われるのは自然なことなので、事実だけをお伝えします。
1450ppmという濃度は、2017年に厚生労働省が医薬部外品として承認した範囲のものです。そのうえで「6歳未満には使用を控える」「6歳未満の手の届かないところに保管する」という条件がつけられ、濃度の表示も義務づけられました。つまり年齢と使い方の条件つきで認められているということです。2023年には日本の歯科4学会が合同で、6歳以上に1400〜1500ppmFを推奨する提言も出しています。
それでもご心配な場合は、かかりつけの歯科医院でご相談ください。お口の状態によって、おすすめできるものは変わります。
Q. 濃ければ濃いほど、むし歯を防げますか?
A. いいえ、そうではありません。コクランの系統的レビューでは、1700〜2800ppmまで濃度を上げても、1450〜1500ppmと新しいむし歯の本数は変わらなかったと報告されています。1450ppmあたりで頭打ちになると考えられています。そもそも日本では上限が1500ppmなので、市販品でこれ以上濃いものは手に入りません。
Q. たくさんつければ、効果も上がりますか?
A. 量には目安があります。4学会の提言では6歳以上は歯ブラシ全体(1.5〜2cm)とされています。ただし現実には、「多すぎる」より「少なすぎる」方のほうが、はるかに多いというのが臨床での実感です。
Q. 「すすがないほうがいい」と聞きましたが、本当ですか?
A. 「まったくすすがない」という意味ではありません。4学会の提言では歯磨剤を軽く吐き出し、うがいをする場合は少量の水で1回とされています。「ゆすぐのは1回でいい」と覚えていただければ十分です。
Q. 1450ppmに変えれば、もうむし歯にならないですか?
A. 残念ながら、そうはなりません。歯磨き粉は、むし歯予防の一部でしかないからです。
とくに歯と歯のあいだは、歯ブラシの毛先が届きません。ここはデンタルフロスや歯間ブラシの担当です。それから飲食の回数も大きく影響します。何を食べたかより、何回口に入れたかのほうが効いてきます。そして初期のむし歯はご自身では見つけられないので、定期検診も欠かせません。1450ppmは「土台を少し底上げするもの」だとお考えください。
Q. 歯科医院で売っている歯磨き粉のほうが効きますか?
A. フッ化物の濃度に関して言えば、同じです。歯科専売品も市販品も上限は同じ1500ppmで、多くが1450ppmです。
違うのは「磨き方の設計」のほうです。歯科専売品には低発泡(泡立ちが少ない)・低研磨(清掃剤がひかえめ)・低香味(味が薄い)といった設計のものが多く、泡が立たないぶん、鏡を見ながら長く磨けます。
ただし「市販品では足りない」ということはありません。買いに行きやすいほうが続くのなら、市販品のほうが正解です。歯科専売品が気になる方は、歯科専売の歯磨き粉ランキングをご覧ください。
まとめ|1450ppmは「選ぶ」より「続ける」ほうが大事です
- 1450ppmの製品どうしなら、むし歯予防の力に大きな差はありません。違うのは味・刺激・プラスの成分。だから「毎日続けられるか」で選んでください
- ミントが辛いなら、濃度を下げるのではなく、味の違うものを探すのが正解です
- 950ppmとの差は、目安として約6%の上乗せ。劇的ではありませんが、選ぶだけで得られる差です。ただし1700ppm以上に上げても頭打ちと報告されています
- いちばん差がつくのは使い方です。量は歯ブラシ全体(1.5〜2cm)、1日2回以上(1回は寝る前)、すすぎは少量の水で1回
- 6歳未満のお子さんには使わないでください。手の届かないところに保管を
20年以上この仕事をしてきて思うのは、歯磨き粉を選ぶのに悩む時間より、すすぎを1回に変えるほうが、ずっと効くということです。この記事が、そのきっかけになればうれしいです。
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※この記事は、フッ化物配合歯磨剤について一般的な情報をお伝えするものです。診断や治療を目的としたものではありません。製品の成分・濃度・香味・効能効果の表示はリニューアルによって変わることがありますので、購入前に必ずパッケージをご確認ください。むし歯・歯ぐきの腫れや出血・知覚過敏が気になる場合や、お子さんへのフッ化物の使い方については、自己判断せず歯科医院にご相談ください。
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【監修・執筆】とうま
日本歯周病学会認定歯科衛生士/歯科臨床麻酔認定歯科衛生士/ホワイトニングコーディネーター
20年以上の臨床経験を基に、日本歯周病学会認定歯科衛生士をはじめとする複数の専門資格を有し、質の高い医療提供を追求している。
予防歯科、歯周治療、ホワイトニング分野を中心に、専門的知識をわかりやすく伝え、患者さんやそのご家族が安心できる情報を発信。


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