先に結論だけ知りたい方へ
歯科衛生士の面接で聞かれることは、ほぼ決まっています。まず「なぜ前の職場を辞めたのか」「なぜこの医院を選んだのか」「自己PR」の3つを準備しましょう。条件だけを伝えず、これまでの経験と、これからどう貢献したいかをセットで話すのがコツです。
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院長が面接で見ているのは、スキルだけではありません
私は20年以上歯科衛生士として働き、何度か転職を経験しました。最初は失敗もしました。
面接で見られているのは、スキルだけではありません。医院や患者さんのために真面目に取り組めるか、院長をサポートしてくれるか、スタッフや患者さんとの相性はどうか。医院の考え方に共感して、一緒に頑張れる人かどうかも見られています。
スタッフの教育に関わっている立場から見ると、経験やスキルも大事ですが、それ以上に、患者さんのため、医院のために何がしたいか、スタッフと同じ方向を向けるかどうかを見ています。特に、挨拶と返事、笑顔で接することができるかは重要だと感じています。
面接でよく聞かれる質問10選
NG回答と答え方の例を並べました。例はそのまま読むのではなく、ご自身の経験に置きかえて話してください。
Q1. なぜ前の職場を辞めたのですか?
NG:「人間関係が最悪で、耐えられなくなったので辞めました。」
ネガティブな理由だけだと、「また辞めるのでは?」と不安にさせてしまいます。
答え方の例:「前の職場では3年間勤務し、多くの経験を積むことができました。今後は予防歯科や患者さんとのコミュニケーションにさらに力を入れている職場で、これまでのスキルを活かしながら成長したいと考え、転職を決めました。」
ポイント:前向きな方向に言いかえます。うそをつく必要はありません。悪口にせず、次にどうしたいかを話しましょう。
Q2. どんな条件で働きたいですか?
NG:「残業がなくて休みが多いところがいいです。」
条件だけを主張すると、印象が悪くなります。
答え方の例:「家庭と両立しながら長く働きたいので、週休2日で残業が少ない環境を希望しています。勤務中はしっかり患者さんに向き合い、職場に貢献したいと考えています。」
ポイント:条件と貢献する気持ちをセットで伝えると、長く働く姿勢が伝わります。
Q3. 当院を志望した理由は?
NG:「家から近いからです。」
本音でも、やる気が伝わらず印象に残りません。
答え方の例:「ホームページを拝見し、予防歯科や患者さんとのコミュニケーションに力を入れている点に共感しました。私の経験を活かし、患者さんに安心して通っていただけるサポートをしたいです。」
ポイント:医院の特徴に触れて、自分の経験と結びつけると、具体的で説得力が出ます。
Q4. 自己PRをお願いします
NG:「特にこれといった強みはありませんが、頑張ります。」
漠然としていて印象に残りません。
答え方の例:「これまで予防歯科で5年間勤務し、患者さんへの指導やメインテナンスに力を入れてきました。特に初診の方が安心して通えるようなコミュニケーションを心がけてきました。」
ポイント:経験、具体的な話、強みの3つを入れると、イメージしてもらいやすくなります。
Q5. ブランクがあることについてどう考えていますか?
NG:「長い間現場を離れていたので不安です。」
不安だけを強調すると、マイナスに受け取られます。
答え方の例:「出産・育児で3年間現場を離れていましたが、その間もセミナーに参加して最新の歯科知識を学び直しました。ブランクはありますが、学んだことを実務で活かしたいと思います。」
ポイント:ブランクを認めたうえで、学び直しと意欲を伝えましょう。
Q6. 将来的にどんな働き方をしたいですか?
NG:「まだ特に考えていません。」
先のことを考えていない印象を与えます。
答え方の例:「長く安定して働きながら、スキルアップにも取り組みたいです。予防歯科やホワイトニングなど新しい分野にも挑戦したいと考えています。」
ポイント:長く働く気持ちと成長したい気持ちは、採用する側の安心材料になります。
Q7. 苦手な業務はありますか?
NG:「外科治療は全部苦手です。」
苦手を強調しすぎると、マイナスになります。
答え方の例:「外科治療のアシスト経験は少なめですが、今後しっかり学びながらスキルアップしていきたいです。」
ポイント:苦手を認めながら、学ぶ姿勢を見せましょう。
Q8. チームワークについてどう考えていますか?
NG:「一人で集中して働きたいです。」
協調性がないと思われてしまいます。
答え方の例:「歯科医院はチームで患者さんをサポートする場所だと思っています。円滑なコミュニケーションを大切にし、周囲と協力して働きたいです。」
ポイント:協調性とコミュニケーションを大切にしていることを伝えましょう。
Q9. 当院でどんなことを学びたいですか?
NG:「特にありません。」
学ぶ意欲がないと判断されます。
答え方の例:「予防歯科と審美歯科に興味があります。御院で最新の知識や技術を学び、患者さんの満足につなげたいです。」
ポイント:学びたい分野と、それをどう活かすかを伝えましょう。
Q10. 最後に質問はありますか?
NG:「特にありません。」
興味がないと思われることがあります。
答え方の例:「スタッフの教育体制や研修について教えていただけますか?」
ポイント:質問は意欲を伝える機会であり、自分に合う職場かを確かめる機会でもあります。
面接の最後に聞いておきたいこと
「最後に質問はありますか?」は、働き始めてからのギャップを減らすチャンスです。次のようなことを聞いてみましょう。
- スタッフの教育体制や研修はどのようになっていますか?
- 歯周治療はどのくらい担当させていただけますか?
- 1人の患者さんにかける時間はどのくらいですか?
- みなさんは普段、何時ごろに退勤されていますか?
- 有給休暇は、みなさんどのように取られていますか?
- 給与や昇給の基準を教えていただけますか?
答えにくい質問をされたら
面接では、仕事と関係のないことを聞かれる場合があります。厚生労働省の「公正な採用選考の基本」では、家族の職業や健康状態、収入、家庭環境などは、採用選考で把握を避けるべきこととされています。
また、子どもが生まれたらどうするかを女性にだけ聞くなど、男女で異なる質問をすることは、男女雇用機会均等法に違反するとされています。
聞かれて答えにくいときは、「家庭と両立しながら長く働きたいと考えています」のように、働く意欲を伝える形で答えるのも一つの方法です。不安なことがあれば、お住まいの都道府県の労働局に相談できます。
面接の前に準備しておくこと
- 医院のホームページやSNSを確認:何を大切にしている医院かを調べておきましょう
- 見学と面接は、できれば同じ日に:働く様子を見てから話せるので、質問もしやすくなります
- 持ち物や服装、交通手段を確認:日程が決まったときに聞いておきましょう
- 自己PRと志望動機を分ける:自己PRは自分の強み、志望動機はその医院を選んだ理由です
- 給与の希望は履歴書の備考欄へ:「昨年の年収は〇〇万円で、月給は〇〇万円でした。できるだけ考慮していただけると幸いです」と書いておくと、話を切り出しやすくなります
- いつから働けるかを答えられるように:今の勤務状況と、働ける時期を整理しておきましょう
私が面接で経験したこと
私の面接では、「どんな歯科衛生士になりたいか」「どんなことに力を入れたいか」「頑張りたいことは何か」を聞かれました。この記事のQ6やQ9に近い質問です。
面接の前には、その歯科医院が何を大切にしているかをホームページやSNSで確認して、自分の価値観に合う医院かどうかを調べておくことが重要です。まったく調べずに面接に行くと、医院の方向性と違う答えをしてしまい、ミスマッチになることもあります。
挨拶、身だしなみ、時間を守ることは、できていて当たり前の大前提です。
面接の準備を手伝ってもらう方法
一人で準備するのが不安な方は、担当者がつく転職サイトを使う方法もあります。私自身は使っていませんが、公式サイトでは次のように案内されています。
- ファーストナビ歯科衛生士:面接の調整や、給与・休みなどの条件の確認を手伝ってもらえます
ほかのサイトもくらべたい方は「歯科衛生士の転職サイトの選び方」をご覧ください。
よくある質問
Q. 面接に落ちることはありますか?
A. あります。歯科医院は少人数の職場が多いので、スキルだけでなく、医院の考え方や募集の条件との相性でも決まります。落ちたとしても、あなたの力が否定されたわけではありません。
Q. 面接の服装は何がいいですか?
A. 清潔感のある服装を選びましょう。医院から指定がある場合は、それに合わせてください。迷ったら、日程を決めるときに聞いて大丈夫です。
Q. 何分前に着けばいいですか?
A. 5〜10分前を目安にしましょう。診療中のことも多いので、早すぎる訪問は避けたほうが安心です。
Q. 正直に話すと不利になりそうなことは、どうすればいいですか?
A. うそはつかないでください。入ってから分かると、お互いに困ります。伝え方を前向きにして、これからどうしたいかを話しましょう。
まとめ|条件だけでなく、貢献する気持ちも伝える
- まず「辞めた理由」「志望理由」「自己PR」の3つを準備する
- 条件を話すときは、貢献したい気持ちとセットで
- 最後の質問で、自分に合う職場かどうかも確かめる
- 答えにくい質問には、働く意欲を伝える形で答える
応募先を探している方は「歯科衛生士の転職サイトの選び方」もご覧ください。
【監修・執筆】とうま
日本歯周病学会認定歯科衛生士/歯科臨床麻酔認定歯科衛生士/ホワイトニングコーディネーター
20年以上の臨床経験を基に、日本歯周病学会認定歯科衛生士をはじめとする複数の専門資格を有し、質の高い医療提供を追求している。
予防歯科、歯周治療、ホワイトニング分野を中心に、専門的知識をわかりやすく伝え、患者さんやそのご家族が安心できる情報を発信。


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