「Floss or Die(フロスか、死か)」——アメリカにはこんな言葉があります。
大げさに聞こえますが、歯と歯のあいだの汚れは、むし歯や歯周病の原因になります。さらに歯周病は、糖尿病や心臓・血管の病気、誤嚥性肺炎などとの関わりも指摘されています。
だからこそ、毎日続けてほしいのがフロス。この記事では、奥歯にも使いやすい簡単フロスと、その使い方をお伝えします。
この記事で分かること
✔奥歯にフロスが入らない3つの原因
✔原因別の解決策(道具・口の開け方・入れ方)
✔奥歯にフロスを通す5つのコツ
✔引っかかる・切れる・膨らむときの対処
✔無理にやらなくていいケース
☆奥歯が苦手な方におすすめのフロスはこちらです。
このフロスは、私も使っていますので、詳しく解説します。

「奥歯にフロスが入らない」「途中で止まって、それ以上進まない」——そう思って検索された方へ。先に、いちばん大事なことをお伝えします。
奥歯にフロスが入らないのは、あなたが不器用だからではありません。
私は歯科クリニックで20年以上、患者さんのお口の中を見てきました(認定歯科衛生士のとうま/日本歯周病学会認定歯科衛生士・臨床歯科麻酔認定歯科衛生士)。診療室で「私、不器用で……」とおっしゃる方は本当に多いのですが、実際に見せていただくと、原因が手先の器用さだったことは、ほとんどありません。道具が合っていないか、口の開け方か、入れる角度か——たいていこの3つのどれかです。
そして、この3つはどれも、今日から変えられます。
【結論】奥歯にフロスが届かない原因は3つ。あなたはどれ?
順番に読まなくて大丈夫です。ご自分に当てはまりそうなものから見てください。
- 原因①|道具が奥歯向きではない……お使いのホルダーは、柄の先が「弓」のようにカーブしたF字型ではありませんか。F字型は前歯には入れやすい形ですが、奥歯へ持っていくと柄が唇や頬に当たって、それ以上奥へ進みません。いちばん多いのがこれです
- 原因②|口を大きく開けすぎている……「よく見えるように」と大きく開けると、頬の内側が突っ張って、奥歯の外側にすき間がなくなります。指もホルダーも入る場所がなくなる、という状態です
- 原因③|入れる場所と角度がずれている……歯と歯が触れている点は、歯の真ん中ではなく、少し外側(頬側)寄りにあります。真上からまっすぐ押し込むと歯の面に当たってしまい、「入らない」と感じます
力が足りないから入らない、ということはまずありません。むしろ強く押し込むほど入りにくくなり、歯ぐきを傷つけやすくなります。

原因別の解決策|道具を変える・口の開け方を変える・入れ方を変える

①道具を変える|F字型をやめて、Y字型ホルダーにする
いちばん早く変わるのがここです。ホルダー付きフロス(糸ようじ)には、大きく2つの形があります。
- F字型(弓型)……柄の先が弓のようにカーブしている形。前歯には入れやすいのですが、奥歯では柄が頬に当たってしまいます
- Y字型……柄の先が二股(Yの字)に分かれている形。糸が柄と同じ向きに張られているので、そのまま奥へ滑り込ませられます
奥歯が苦手な方は、まずY字型に替えてみてください。それだけで「入らない」が「入った」に変わる方は、かなりいらっしゃいます。道具の問題を、自分の技術の問題だと思い込んでいただけ、というケースです。
②口の開け方を変える|F字型(弓型):奥歯のときは、口を「半分」閉じる
これは知らない方がとても多い、けれど効果が大きいコツです。
奥歯にフロスを入れるときは、口を大きく開けるのではなく、半分くらいまで閉じてください。口を閉じぎみにすると頬の力がゆるみ、頬がやわらかく外へ寄ってくれるので、奥歯の外側にすき間ができます。そこへ、ホルダーを横から滑り込ませます。

③入れ方を変える|押し込まず、前後に動かしながら通す
歯と歯が接触している点は、思っているよりかたく、狭いです。ここをまっすぐ押し込もうとしても、通りません。
のこぎりを引くように、フロスを前後に小さく動かしながら、少しずつ下ろしていきます。「通す」というより「くぐらせる」感覚です。スッと落ちた瞬間に止められるよう、力は最小限にしておいてください。勢いよく入ると、歯ぐきに当たって痛みや出血の原因になります。
くわしい手順は、この記事の後半(奥歯にフロスを通す5つのコツ)で、鏡の使い方や指の位置まで書いています。
【比較】奥歯に届きやすい道具はどれ?
奥歯のまわりで使える道具を、「奥歯への届きやすさ」と「慣れやすさ」の2つで並べました。
| 道具 | 奥歯への 届きやすさ | 慣れ やすさ | こんな方に |
|---|---|---|---|
| Y字型ホルダー (糸ようじ) | ◎ | ◎ | 奥歯が苦手な方の第一候補 指を入れなくて済みます |
| F字型ホルダー (弓型・糸ようじ) | △ | ◎ | 前歯だけなら十分 奥歯には向きません |
| 糸巻きタイプ (糸だけのフロス) | ○ 慣れれば◎ | △ | Y字型に慣れた方の 次のステップ |
| 歯間ブラシ | ◎ | ○ | 歯ぐきが下がって すき間ができた方 |
| ワンタフトブラシ | ◎ | ◎ | いちばん奥の歯の さらに奥の面や歯の重なり |
表の見方を3つだけ。
- 「奥歯に入らない」を今日いちばん早く解決したいなら、Y字型ホルダーです。指をお口の奥まで入れなくていいぶん、無理な姿勢になりません。この記事でご紹介しているライオンのウルトラフロスが、この形にあたります
- 糸巻きタイプは「上級者向け」ではなく「順番があとの道具」です。先にY字型で通せるようになってからのほうが、ずっとラクに移れます
- 歯間ブラシとワンタフトブラシは、フロスの代わりではありません。役割が違います。どんなときにどちらを使うかは、後半の「無理にフロスを通さなくていいケース」で説明します
もっと広く見比べたい方へ。
- フロスの種類ぜんぶを、はじめから見たい方……糸ようじ/フロス、むし歯/歯周病予防[デンタルフロス編]|認定歯科衛生士おすすめに、フロスの基本から選び方までまとめてあります
- 糸巻きタイプを実際に比べたものが見たい方……【2026年最新版】おすすめデンタルフロス|認定歯科衛生士がレビュー!で、市販の商品を実際に使って比べています
- フロスと歯間ブラシ、どちらが必要か迷っている方……デンタルフロス、歯間ブラシって必要?
ここから先は、もっと詳しく知りたい方へ
「とりあえず奥歯に入るようにしたい」という方は、ここまでで十分です。Y字型に替える、F字型は口を半分閉じる、フロスは前後に動かしながら入れる——この3つだけ持って帰っていただければ、今日から変わります。お疲れさまでした。
ここから先は、「もう少しちゃんと知りたい」「なぜ入らないのか納得したい」という方向けです。フロスがどれくらい効くのか、奥歯に通す具体的な手順、うまくいかないときの原因、そして無理にやらなくていい場合まで、順番に書いていきます。
デンタルフロスの実力
毎日の歯磨き、歯ブラシだけで磨いていると歯に付いている細菌は半分程度しか取れていません。
フロスを使用することでかなりの細菌(プラーク)が除去できることが分かっています。
| プラーク除去率 | |
| 歯ブラシだけ | 58% |
| 歯ブラシ+フロス | 85.9% |
フロスのやり方
私のおすすめY字型フロスの使い方を紹介します。
奥歯にY字型フロスを通す5つのコツ|診療室でお伝えしていること
ここからは、私が診療室で患者さんにお伝えしている手順です。動画で全体の流れをつかんだら、次はこの5つを意識してみてください。
コツ①|鏡は「見るため」ではなく「確かめるため」に使う
特に上の奥歯は、鏡を見ながらでは入れられません。角度的に、どうしても見えないところがあります。
おすすめは、鏡は入れる前と入れたあとだけ見て、通す瞬間は指の感覚でやるという使い方です。「だいたいこのあたり」と位置を確認してから、目ではなく手の感触で入れます。見えないから入らないのではありません。見ようとして口を大きく開けてしまうから入らないのです。
コツ②|通したあとは、前後の歯それぞれの面を上下に当てる
ここが、すでにフロスをやっている方でも抜けやすいところです。
フロスは、歯と歯のあいだを「通して終わり」ではありません。入ったら、手前の歯の面に沿わせて、上下に5回程度動かす。次に、奥の歯の面に沿わせて同じように動かす。1か所につき、みがく面は2つあります。
そして、いちばん奥の歯の「さらに奥の面」には、フロスを引っかける相手の歯がありません。ここは忘れられがちですが、汚れがたまりやすい場所です。糸をその面だけをこすってあげてください。ワンタフトブラシがあると、もっとラクです。
コツ③|出すときは、真上に引き抜かず「前後に動かしながら」抜く
つめ物が外れるトラブルの多くは、入れるときではなく「抜くとき」に起きます。まっすぐ上へ引っぱると、つめ物のふちに糸が引っかかることがあります。
入れたときと同じように、前後に小さく動かしながら抜いてください。糸巻きタイプで、それでも引っかかる場合は、無理に上へ引かず、はさみで糸を切る場合もあります。
奥歯にフロスが入らない方の多くは、F字型のフロスを使っていたり、指巻きタイプのフロスを間違った指に巻いていることがほとんどです。
これらのフロスを使う場合は、コツや技術が必要です。より簡単に行う場合は、Y字型フロスを提案することが非常に多くあります。毎日フロスをやる習慣が定着することが最も大切です。
フロスが引っかかる・切れる・膨らむ・すべる|うまくいかないときの原因
入るようになってから出てくるお悩みを、まとめて書いておきます。
いつも同じ場所で引っかかる・切れる
毎回、決まった1か所だけで引っかかる。ここは注意が必要です。
考えられるのは、つめ物やかぶせ物のふちに段差がある、歯と歯のあいだにむし歯ができている、歯石がついているといったところです。フロスのせいではなく、その場所からのサインだと考えてください。
同じ場所で何度も切れる・毛羽立つという場合は、一度歯科医院で見てもらってください。ご自分では判断できませんし、早く見つかるほど、治療の負担は小さく済むことが多いです。
フロスが膨らむ/膨らまない
糸巻きタイプのフロスには、唾液や摩擦で繊維が広がって「膨らむ」タイプと、膨らまないタイプがあります。どちらが良い・悪いではなく、向き不向きです。
- 膨らむタイプ……繊維が広がって、歯の面に当たる範囲が広くなります。歯ぐきにやさしく当たりやすいのも特徴です
- 膨らまないタイプ……糸が細いまま保たれるので、すき間がとても狭い方や、つめ物の段差がある方には通しやすいことがあります
「膨らむと書いてあるのに、思ったより膨らまない」という場合は、商品による差がかなり大きいです。市販の商品を実際に使って膨らみ方を比べたものを、【2026年最新版】おすすめデンタルフロス|認定歯科衛生士がレビュー!にまとめてあります。水に浸したときと、実際に歯に使ったときで結果が違ったのが、やってみて分かったことでした。

フロスが指からすべって、うまく持てない
糸巻きタイプでよくあるお悩みです。ワックス(コーティング)がついているフロスは、歯のあいだには入りやすい反面、指ではすべりやすいという性質があります。
対処はかんたんで、指に巻きつける回数を1回増やす——これだけでかなり変わります。中指に2〜3回しっかり巻きつけてから、人さし指と親指で糸を短くつまんでください。糸を長く持つほど、力が逃げてすべります。
商品ごとのすべりやすさも、レビュー記事で実際に使って比べています。
フロスをすると血が出る
始めたばかりの時期に、少し血がにじむことはあります。歯ぐきに炎症があるところは、触れると出血しやすい状態になっているためです。続けているうちに落ち着いてくることが多いのですが、次のような場合は別です。
- 2週間ほど続けても、出血が減らない
- 特定の場所だけ、いつも強く出血する
- 痛みや腫れ、においをともなう
この場合は、自己判断で様子を見ずに歯科医院を受診してください。歯周病が進んでいたり、歯肉が傷ついていることがあります。これは、ご自分のケアだけでは解決しません。
フロス中に出血しても痛みが無ければ続けてくださいと伝えています。2,3日痛みが続く場合は、歯科医院に相談してください。
フロスの注意点とその対応
フロスは、歯の間の細菌や食べかすを取り除きますが、まれに歯科治療後のつめ物が引っ掛かり外れてしまう場合があります。
そんな時は、落ち着いて外れた物を無くさないように小さめの袋に入れて、かかりつけの歯科にお持ちください。ティッシュに包むと捨ててしまう場合があるのでおすすめしません。
つめ物が外れてしまった時にやること、注意点
①洗面所の排水溝に流れないように栓をしてから水で外れたつめ物を洗う
②水分を拭き取り、小さめの袋に入れ、外れた日を書いておく
③歯科にできるだけ早めに連絡し、予約を取る
④外れた歯では、食べ物を咬まないようにする(歯がかけてしまう恐がある)
⑤歯がしみる場合は、極端に冷たい物や熱い物は、なるべく避ける
⑥つめ物が外れた所の歯も、念入りに歯磨きはおこなう
⑦フロスは続ける
つめ物が外れてしまう原因は
・つめ物の隙間からのむし歯
・接着したセメントの経年劣化
・歯のすり減りや詰め物の経年変化で、歯と合わなくなってきた
・かみ合わせが強く、歯に負担がかかり過ぎている
・外れやすい、つめ物の設計
もし、つめ物が外れたとしてもフロスは続けましょう。
外れたつめ物は、遅かれ早かれ外れる可能性が高いところです。外れるからフロスをやらなくなってしまうと、歯だけでなく、全身の病気にも繋がることがありますのでフロスは続けることをおすすめします。
フロスを続けるコツ
- 簡単フロスを使う
- 歯磨きの最初におこなう
- フロスは夜が理想だが、朝昼夜どのタイミングでもいいのでやってみる
- フロスをやらないと歯の間に、悪玉細菌が増えることを知っておく
- 3週間続けてみるとやらずにはいられなくなる
簡単フロスを使う
フロスには、ハンドル付きのフロスと、糸のみのフロスがあります。
手軽なフロスとは、ハンドル付きのフロスの事で、種類も大きく分けて2種類あります。
昔からよく見るF字型(弓型)と私がおすすめする簡単にできるY字型フロスがあります。



歯磨きの最初におこなう
2021年の調査では、歯間ブラシを歯磨き前におこなった方がきれいに磨けるというデータがあります。
歯間ブラシ→歯ブラシ、歯垢除去率平均69.9%
歯ブラシ→歯間ブラシ、歯垢除去率平均55.3%
結果:歯ブラシの前に歯間ブラシを使った方が効果的にプラークを除去することができた
「歯間ブラシ」は先に使う方が効果的! 「歯間ブラシ」で、磨くを変える! | デンタルプロのプレスリリース | 共同通信PRワイヤー (kyodonewsprwire.jp)
このことから、歯の間を歯間ブラシできれいに磨いてから歯ブラシをおこなう方が効果的にきれいになることが分かりました。
フロスでも同じことが言えると思います。
フロスは夜が理想だが、朝昼夜どのタイミングでもいいのでやってみる
理想にとらわれ過ぎずにどのタイミングでもいいので一日一回、フロスをやるということに重きを置きましょう。その日にできなければ、次の日に出来れば、歯肉炎の発症を抑えることができることが分かっていますので、リカバリーは効きます。
フロスをやらないと歯の間に、悪玉細菌が増えることを知っておく
プラークの中には、1mgあたり1億個以上もの細菌が含まれます。フロスをやるかやらないかで細菌の数は、変わってきます。
下の画像の丸い物や細長い物はすべて歯に付いていた細菌です。これらが歯の間にいることを想像してみてください。
やらないままで本当にいいのですか?

3週間続けてみるとやらずにはいられなくなる
フロスを習慣化できれば、面倒くさいとは思わなくなります。むしろ、やらないことに違和感を感じ、やるのが当たり前の良い習慣になります。
習慣化するには、3週間かかると言われていますので、まずは3週間を目標に続けてみましょう。
簡単フロスを紹介
私が初心者におすすめする簡単フロスはこちらです。
ライオンウルトラフロス
高い耐久性と操作性で繰り返し使えるY字ホルダータイプのデンタルフロス
使いやすさを追求したY字型ホルダーで臼歯部にも使いやすく、高耐久性、低摩擦力の『テクミロン』採用で繰り返し使えます。カラフルなホルダーカラーがフロッシングタイムを楽しく彩り、フロッシングの習慣化をサポートします。
特徴
①プラークをしっかり除去
フロスにわずかなたるみを持たせることで、束状のフィラメントが歯面に巻きつくように広がり、効果的にプラークを除去します。


②使いやすいY字型ホルダー
丈夫で持ちやすく、操作性に優れた独特のY字ホルダーを採用。
前歯部から臼歯部まで確実にコントロールできます。
③切れにくく繰り返し使える
耐久性に優れたテクミロンTMフロス。
その引張破断強度はナイロンフロスの約3~5倍。
ハブラシと同じように、水で洗って繰り返し使えるので経済的です。

④歯間部への挿入がスムーズ
テクミロンTMの摩擦抵抗力はナイロンの約1/4~1/3。
滑りがよく、きつい歯間部でもスムーズに入り込みます。

テクミロンTMとは?
テクミロンTM:高強度・高性能のポリエチレン繊維
超高分子量ポリエチレンから造られた高強度繊維材料。
ヨットのロープ、セイルクロスなど、強度や耐久性が求められる製品に使われています。
強度はナイロンの約3~5倍の強度を誇ります。切れにくい為、清掃性と耐久性に優れています。
おすすめポイント
- お子さまや初めての方など、どなたでも使いやすい設計。
- 丈夫で繰り返し使える経済性。
- フロッシングタイムを楽しく彩るカラフルなホルダーカラー。
こんな方にオススメ
小さなお口に指を入れなくても奥までラクに届きます。お子様の仕上げ磨きに適しています。

小学生からフロスの習慣が育成できます。

成長に伴い汚れがつきやすくなった子どもの奥歯に対しても有効です。
歯の間のむし歯予防に効果的です。

成人の奥歯にも簡単に届き、歯肉を傷つけることなくフロスが歯にフィットします。

歯の狭いすき間や、歯並びが悪くむし歯リスクが高いところのケアにも効果的です。

歯周病が発生しやすく清掃しにくい歯肉の溝や歯周ポケットの清掃に効果的です。

サイズは、SサイズかМサイズを選択
ウルトラフロスのサイズは歯のすき間に合わせてSサイズとMサイズからお選びいただきます。
私は、現在Mサイズを使用しています。
Sサイズは、
✔フロスが初めての方
✔歯のすき間がせまい方
Mサイズは、
✔フロスに慣れている方
✔Sサイズでは、物足りないと感じる方
✔歯に食べ物が、はさまりやすい方
歯の間に段差や引っ掛かりがあり、うまくフロスが通せない方は、ホルダー付きフロスではなく、糸だけのフロスや歯間ブラシが良い場合もあります。



無理にフロスを通さなくていいケースもあります
正直にお伝えします。全員がフロスでなければいけない、ということはありません。
診療室でも、「この方は、フロスより歯間ブラシのほうが合っている」と判断してお伝えすることがあります。次のような場合です。
- 歯ぐきが下がって、歯と歯のあいだにすき間がはっきり見える……この状態でフロスだけを使っても、すき間の広い部分には糸が当たりません。歯間ブラシのほうが効率よく届きます
- ブリッジ(連なったかぶせ物)が入っている……ふつうのフロスは上から入りません。専用のフロスや歯間ブラシを使います
- 矯正装置が入っている……装置をまたぐ必要があるため、専用の道具のほうがラクです
- 手や指を思うように動かしにくい……ホルダー付きでも難しい場合は、歯間ブラシやワンタフトブラシのほうが続けやすいことがあります
そして、いちばん大事なことを書きます。
「奥歯だけどうしても入らない」なら、入るところだけでも続けてください。全部できなければ意味がない、ということはありません。前歯だけでも、片側だけでも、やらないよりはずっといいです。完璧にやろうとして続かなくなるほうが、お口にとっては損です。
どうしても通らないところは、歯科医院でお口を見せてください。その場所だけ歯の形が特殊なのか、道具を変えれば済むのか、見れば分かることがほとんどです。フロスの入れ方は、その場で一緒にやってみるのがいちばん早いので、遠慮なく「奥歯が入らないんです」と言ってみてください。
フロスと歯間ブラシの使い分けは、デンタルフロス、歯間ブラシって必要?にくわしくまとめています。
奥歯のフロスについて、よくある質問
Q. 奥歯にフロスが入らないのは、異常ですか?
A. 異常ではありません。そして、あなただけでもありません。
奥歯は、お口の中でいちばん条件が悪い場所です。頬が邪魔をする、見えない、指が届きにくい、歯の形が複雑——入りにくくて当たり前の場所です。診療室でも、奥歯だけできないという方はとても多いです。
ただし、「昨日まで入っていたのに、急に入らなくなった」という場合は別です。つめ物のふちに段差ができていたり、その場所にむし歯ができていたりすることがあります。この場合は歯科医院で見てもらってください。
Q. フロスをすると痛いのですが、続けていいですか?
A. 「痛みの種類」で分けて考えてください。
- 歯ぐきに当たってチクッとする……入れる勢いが強い可能性があります。前後に動かしながら、ゆっくり下ろしてみてください
- その場所だけ、いつもズキッと痛む……続けずに、歯科医院で見てもらってください。むし歯や歯ぐきの炎症が隠れていることがあります
- 始めた最初の数日だけ、しみるような感じがある……歯ぐきに炎症があると起こりやすい反応です。数日から2週間ほどで落ち着いてくることが多いですが、強くなるようなら受診してください
我慢して続けるものではありません。痛みが続く場合は、一度みてもらってください。
Q. フロスをやめたら、どうなりますか?
A. 歯と歯のあいだが、手つかずのまま残ります。
この記事の前半にあるとおり、歯ブラシだけでは、歯についた汚れは半分程度しか落ちません。そしてむし歯も歯周病も、歯と歯のあいだから始まることがとても多い場所です。
「やめたらこうなる」と決まっているわけではありませんが、むし歯や歯周病になりやすい状態が続くことにはなります。毎日できなくても構いません。2日に1回でも、週に3回でも、ゼロとは大きく違います。
Q. 奥歯だけ歯間ブラシにしてもいいですか?
A. すき間がある方なら、良い選択です。
ただし条件があります。歯間ブラシは、入るところにしか入りません。すき間がない場所へ無理に押し込むと、歯ぐきを傷つけたり、歯ぐきが下がる原因になったりします。
サイズ選びを間違えると逆効果になりやすい道具なので、最初の1本は歯科医院でサイズを見てもらうのがおすすめです。同じお口の中でも、場所によって合う太さが違うことは珍しくありません。
Q. Y字型ホルダーは、1本で何回くらい使えますか?
A. 商品によります。この記事でご紹介しているライオンのウルトラフロスは、水で洗って繰り返し使えるタイプです(テクミロンという、切れにくい繊維を使っています)。
替えどきは日数ではなく、状態で見てください。糸が毛羽立ってきた、細くなってきた、たるんできた——このどれかが出たら交換のサインです。毛羽立った糸は、歯のあいだで切れやすくなります。
Q. 子どもの奥歯にも、フロスは必要ですか?
A. 必要だと考えています。お子さんの奥歯は歯と歯がぴったり接していて、歯ブラシの毛先が入りません。しかも乳歯の奥歯のむし歯は、歯と歯のあいだから始まることがとても多いです。
お子さんご自身にやらせるより、仕上げみがきのときに大人がやってあげるほうが確実です。Y字型ホルダーなら、お子さんの小さなお口に指を入れなくて済むので、仕上げみがきに向いています。
まとめ
今回は、奥歯をやるのが苦手な方へ、初心者向けおすすめホルダー付きデンタルフロスについて、紹介しました。
まとめると、
✔フロスの実力→プラーク除去率が大幅に向上
✔フロスの注意点とその対応→外れた場合は無くさないように袋にしまい、歯科医院に予約する&フロスは続ける事
✔フロスを続けるコツ→とにかく一日一回、3週間はフロスを継続しよう
✔奥歯にも使いやすいフロスが分かる→ライオンのウルトラフロスを使ってみよう
以上こちらを紹介しました。
フロスをおこなうと、歯や歯肉などお口の中の病気だけでなく、全身の病気の予防にも繋がります。
これを機にデンタルフロスを歯磨きの一環として始めてみましょう。
最後に、この記事でいちばんお伝えしたかったことを、もう一度だけ。
- 奥歯にフロスが入らないのは、不器用だからではありません。原因は道具・口の開け方・入れる角度のどれかで、どれも今日から変えられます
- 奥歯は、口を「半分」閉じる。大きく開けるほど入りにくくなります。ここだけでも覚えて帰ってください
- 全部できなくて大丈夫です。入るところだけでも続けるほうが、完璧を目指してやめてしまうより、ずっといいです
フロスについて、もっと知りたい方へ
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- 歯ブラシから見直したい方……歯科衛生士おすすめ『歯ブラシ』
※この記事は、デンタルフロスの使い方について一般的な情報をお伝えするものです。診断や治療を目的としたものではありません。製品の仕様やラインアップはリニューアルによって変わることがありますので、購入前にパッケージをご確認ください。フロスをすると毎回同じ場所が引っかかる・切れる、出血や痛みが続く、つめ物が外れたという場合は、自己判断せず歯科医院にご相談ください。奥歯への入れ方は、実際にお口を見てもらいながら教わるのが、いちばん確実です。
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それでは、また次のブログでお会いしましょう。


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