先に結論だけ知りたい方へ
志望動機は「①その医院の特徴」「②自分の経験や強み」「③どう貢献したいか」の順に書くと、まとまります。どの医院にも使える文章ではなく、その医院を選んだ理由を入れるのがコツです。すぐに使える例文はこの記事の中ほどにあります。
※この記事はアフィリエイト広告(PR)を含みます。
志望動機で見られているのは「なぜこの医院か」
履歴書を前にして、手が止まってしまう方は多いと思います。「家から近い」「給料がいい」が本音でも、そのまま書くわけにはいきません。
自己PRと志望動機は、似ているようで役割が違います。
| 伝えること | |
|---|---|
| 自己PR | あなたが持っているスキル、経験、強み |
| 志望動機 | なぜその職場を選んだのか、なぜそこで働きたいのか |
同じ内容をコピーすると、印象が薄くなります。自己PRは自分の強み、志望動機は医院との相性を中心に書きましょう。

志望動機の書き方3ステップ
ステップ1:医院の特徴を調べる
まず、医院のホームページやSNSを見ます。何を大切にしている医院かが分かれば、自分の価値観に合うかどうかも判断できます。次のようなところを見てみましょう。
- 院長のあいさつや、医院の方針
- 力を入れている診療(予防、歯周治療、矯正、訪問など)
- スタッフの紹介や写真、勉強会の様子
- 担当制かどうか、患者さんの層
ステップ2:自分の経験や強みと結びつける
「私の○○の経験を、ここで活かせる」とつなげます。大きな実績でなくても大丈夫です。担当してきた患者さんのこと、心がけてきたことを思い出してみましょう。
ステップ3:どう貢献したいかを書く
最後に、入ってから何をしたいかを書きます。「勉強させてください」だけだと受け身に見えるので、「患者さんの安心につなげたい」など、医院や患者さんにとってよいことを入れましょう。
長さは、履歴書の欄に収まる3〜5行、150〜200字くらいが目安です。

本音を伝わる言葉に言いかえる
本音をごまかす必要はありません。うそを書くのではなく、その先にある理由を言葉にしましょう。
| 本音 | 言いかえの例 |
|---|---|
| 家から近い | 通いやすい場所で、長く働きたい |
| 給料を上げたい | 経験や資格を活かして、責任のある仕事をしたい |
| 残業を減らしたい | 家庭と両立しながら、長く働き続けたい |
| 人間関係がつらかった | スタッフが協力し合える環境で、患者さんに向き合いたい |
| 休みがほしい | 生活のリズムを整えて、仕事に集中したい |

前の職場の悪口は書かないようにしましょう。「また同じ理由で辞めるのでは」と心配されてしまいます。退職理由を聞かれたときの答え方は「面接でよく聞かれる質問10選」にまとめています。
志望動機の例文10選
そのまま写すのではなく、○○のところや経験の部分をご自身のことに置きかえてください。
例文1:スキルアップしたい
予防歯科に力を入れている点に魅力を感じ、志望いたしました。これまで5年間、一般歯科でメインテナンスを中心に担当してきました。御院で予防の知識と技術をさらに深め、患者さんが長く通いたいと思える歯科衛生士を目指したいと考えています。
例文2:歯周治療に力を入れている医院
歯周治療に力を入れている御院で、経験を積みたいと考え志望いたしました。これまでSRPやメインテナンスを担当するなかで、歯周治療にやりがいを感じてきました。患者さんが口腔内の健康を長く保てるように、御院の一員として貢献したいです。
例文3:担当制の医院
担当制を取り入れている点に魅力を感じました。これまでの勤務で、同じ患者さんを継続して見ることの大切さを感じてきました。一人ひとりの変化に寄り添いながら、安心して通っていただけるように努めたいと考えています。
例文4:地域に根ざした医院
地域の患者さんを長く支えている御院の姿勢に共感し、志望いたしました。お子さんからご高齢の方まで幅広い世代の方と接してきた経験を活かし、ご家族で通っていただける医院づくりに貢献したいです。
例文5:家から近い医院
通いやすい地域で長く働きたいと考えていたところ、御院が予防に力を入れていることを知り、志望いたしました。地域の患者さんと長くお付き合いできる歯科衛生士として、これまでの経験を活かしたいと考えています。
例文6:パートで働きたい
子育てと両立しながら、経験を活かして働きたいと考えております。御院は○○に力を入れており、これまでの経験を活かせると感じました。限られた時間のなかでも、患者さんに丁寧に向き合い、スタッフの皆さんと協力して働きたいです。
例文7:ブランクから復職したい
出産・育児のために3年間現場を離れておりましたが、その間も研修に参加して知識を学び直してきました。御院は教育や研修に力を入れており、安心して復帰できる環境だと感じました。これまでの経験を活かし、患者さんに寄り添った診療に貢献したいです。
例文8:40代以上で転職する
これまで○年間の経験を活かし、患者さんと長く向き合える職場で働きたいと考えております。御院の○○という方針に共感いたしました。患者さんへの対応はもちろん、後輩の育成やチームづくりでもお力になれればと考えています。
例文9:病院・大学病院で働きたい
全身の病気を抱える患者さんのお口のケアに関わりたいと考え、志望いたしました。診療所で培った経験を活かしながら、医科・歯科の皆さまと連携して、患者さんの療養を支える力になりたいです。
例文10:介護施設・訪問歯科で働きたい
歯科医院に通うことが難しい方のお口の健康を支えたいと考え、志望いたしました。これまでご高齢の患者さんを担当するなかで、食べることや話すことを支える仕事にやりがいを感じてきました。ご本人とご家族に安心していただけるケアに取り組みたいです。
こんな志望動機は避けましょう
- どの医院にも使える文章:「貴院の理念に共感しました」だけでは、調べていないのが伝わります
- 条件だけ:「週休2日で残業がないから」だけでは、仕事への気持ちが伝わりません
- 前の職場の悪口:不満が理由に見えると、心配されてしまいます
- 教えてもらう前提:「勉強させてください」だけでは、受け身に見えます
- 長すぎる文章:要点が伝わりにくくなります

私が転職で実際に書いた志望動機
参考までに、私が転職のときに履歴書に書いた志望動機です(医院名は○○にして、一部を変えています)。
私の歯科衛生士としてのやりがいは、患者さんに「この歯科医院と出会えてよかった」と言ってもらえることです。
そのために大切なことは、①医院のチームワークが良いこと、②スタッフの知識や技術、人間性を高めることだと考えております。
○○歯科医院様は、これらを大切にしている医院様だと感じました。ホームページのスタッフと先生の集合写真がとても良い雰囲気で、スタッフと一緒に勉強に力を入れていることもうかがえたからです。予防歯科や歯周治療を学び、患者さんを笑顔にしたい。勉強会やミーティングを通じて、医院全体がレベルアップできる環境で一緒に成長したい。これまで培ってきた歯科衛生士歴20年の経験を活かして貢献したいと考えております。
志望する歯科医院のホームページや院長のブログ、SNSをよく読み、自分のやりたいことや強みと医院の方向性が合っていることを志望動機に書くようにしました。たとえば、認定歯科衛生士を目指している医院なら「私も目指したい」、SNSでの発信に力を入れている医院なら「日々の診療や医院のことを知ってもらう活動にも興味がある」といった形です。
面接でも同じように受け答えをすると、「よく調べてくれている」「働きたい気持ちが伝わる」「この医院が目指す方向と価値観が近い」と感じてもらえます。
私は以前の歯科医院で、面接を担当することがありました。印象に残っているのは、すぐに履歴書を送ってくださった方です。これまでの仕事の経緯と内容、そこから分かった自分の強み、この医院でどう貢献したいかが、はっきり書かれていました。
反対に残念だったのは、「家から近かった」「知り合いの紹介で来ました」「診療が終わるのが早い」といった志望動機です。医院のことを調べた様子がなく、自分のことが中心なので、一緒に働きたいと思えず、医院で活躍する姿も見えませんでした。
応募先をこれから探す方へ
志望動機は、医院のことが分かるほど書きやすくなります。求人を見くらべるときは、次のサイトが使えます(私が使ったのはグッピーです)。
- ジョブメドレー:自分で検索して、気になる医院に応募できます
- ファーストナビ歯科衛生士:担当者に希望を伝えて、面接の調整や条件の確認を手伝ってもらえます
ほかのサイトもくらべたい方は「歯科衛生士の転職サイトの選び方」をご覧ください。
よくある質問
Q. 志望動機は手書きとパソコン、どちらがいいですか?
A. 医院から指定がなければ、どちらでも大丈夫です。指定がある場合は、それに合わせましょう。
Q. 転職のたびに志望動機は変えるべきですか?
A. はい。医院ごとに特徴が違うので、応募先に合わせて書き直しましょう。経験や強みの部分は使い回して、医院の特徴の部分を変えると書きやすくなります。
Q. 本当に家から近いのが理由です。書いてはいけませんか?
A. 書いても大丈夫です。ただ、それだけでは気持ちが伝わらないので、「通いやすい場所で長く働きたい」とつなげて、医院の特徴にも触れましょう。
Q. 面接で志望動機を聞かれたら、履歴書と同じことを言えばいいですか?
A. 同じ内容で大丈夫です。読み上げるのではなく、自分の言葉で短く話しましょう。見学をしていれば、そのときに感じたことを足すと伝わりやすくなります。
まとめ|その医院を選んだ理由を入れる
- 医院の特徴、自分の経験や強み、貢献したいことの順に書く
- 本音はその先の理由に言いかえる。うそは書かない
- 自己PRと同じ文章にしない。応募先ごとに書き直す
書類の次は面接です。「面接でよく聞かれる質問10選」も読んでおくと安心です。
【監修・執筆】とうま
日本歯周病学会認定歯科衛生士/歯科臨床麻酔認定歯科衛生士/ホワイトニングコーディネーター
20年以上の臨床経験を基に、日本歯周病学会認定歯科衛生士をはじめとする複数の専門資格を有し、質の高い医療提供を追求している。
予防歯科、歯周治療、ホワイトニング分野を中心に、専門的知識をわかりやすく伝え、患者さんやそのご家族が安心できる情報を発信。


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